年金積立金の運用
昨年度は 10兆円超益とは言うものの
今朝の新聞をみると、第一面に「13年度、年金運用益 10兆円超」という見出しがありました。そこのところを少し引用してみようと思います。
厚生年金と国民年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) は 4日、2013年度の運用結果は 10兆 2207億円の黒字だったと発表した。過去最高だった 12年度に次ぐ高水準で、運用利回りは 8.64%となった。(中略)
ただ、14年 1~3月期は国内株式の下落が響いて 1兆 15億円の損失となり、12年 4~6月期以来の赤字。運用状況が株式市況に左右されている構図が示された。
安倍政権は積立金の運用に関し、日本経済の活性化につながるとして今秋にも国内株式投資を増やす方向で運用方針を見直すよう GPIF に要請している。新方針で国内株式への投資割合が高まれば、市場動向による運用成績の動向はさらに大きくなりそうだ。【『静岡新聞』 平成26年 7月 5日 朝刊 第一面 】
さらに、これに関連したもので、米投資家の反応を示したニューヨーク共同記事を載せていました。
以下、その部分を引用してみます。
世界最大の規模の年金運用機関である日本の GPIF が株式投資の拡大など、運用方針を見直すことに関し、アメリカの投資家からは「日本株購入の合図だ」などともてはやす声があがっている。
GPIFは、日本の厚生年金や国民年金など約 127兆円 (2014年 3月末時点) の資産を運用している。
そのうち 6割を安全性が高いが利回りの低い日本国債で運用しているのが現在の基本方針で、国内株式への投資は原則として 12%にとどまる。(中略)
GPIFの職員数は 80人程度。海外の年金基金と比べると運用体制が充実しているとはいえない。そのため大まかな運用方針を決めた上で、実際の運用は信託銀行や投資顧問会社に委託している。(中略)
(今回の)運用方針の見直しで、外国の株式や債券などの投資が増えるとの見方も出ている。(中略)
そうなれば、GPIFが外国株式や外債を買うために大規模な円売りドル買いを行い円安が促進される可能性がある。円安が輸出企業の業績を押し上げ、日経平均のさらなる上昇を後押しするとの期待も出でいる。(中略)
ただ、日本国債の購入の重要な担い手である GPIF が (日本国債の) 売りに回れば、長期金利が上昇したり不安定化するリスクもある。邦銀大手の駐米幹部は「ヘッジファンドが日本株で儲けた後に売り抜け、株高が一時的な現象で終わる懸念がある」とも指摘している。【 同紙 第五面 赤字は引用者 】
年金積立金
会社員の厚生年金と自営業者らの国民年金で、保険料収入から給付費を差し引いた残額を将来の年金支払に備えて積み立てた資金。2004年の年金制度改革で、約 100年かけて計画的に取り崩すことを決めた。14年 3月末の積立金は約 127兆円。厚生労働省所管の「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF) が、大半を信託銀行などに委託し、国内外の株式や債券で運用している。
つまり、我々の年金積立金は我々の年金給付に使われているのではなく、株式投資などに転用されているというのですね、GPIFのホームページによれば、その転用の根拠は「法律」からの要請によるものということです。
実際には年金の給付金は不足していて、税金から不足分を補っています。
この現実を、どう思いますか。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント