マウス実験
今春、大学を卒業し、今月から病院の薬局に勤務し始めた長女。
大学生活の 6年間のうち 4年間を実験用小動物の飼育をしていたそうです。
つまり、当番制で 餌やりや 温度の管理をしていたそうですよ。
たとえば、実験用マウス・・・と言っても、さまざまな種類があるそうで、その実験の目的にあったマウスを見つけ出して、それを繁殖させるのが、彼女の学生生活だったそうです。
たとえば、糖尿病の実験をする場合は糖尿病のマウスをつくるとか、メタボなマウスを作ったり、目的の場所に腫瘍があるマウスを作ったり、それはそれは大変な作業だったようです。
そうして苦労して繁殖させた小動物は、そこの大学だけではなく、他の大学とか研究機関に‘出荷’していたようで、その要請に応えるために、学生たちは日夜努力していたそうです。
遺伝子がらみの実験が多いので、同じような遺伝子を持った均一な「質」を確保しなければならない・・・・。。。。
ところが、そうした要請に沿ったマウスを発見したり繁殖させるには、そのために、とにかく大量な数を扱わなくてはならないため、毎日が戦いだったようです。
そうして毎日すごしていると、おのずからマウスの飼育のカンやコツを体得できて、卒業する頃には、プロ並みの技術を持っていたそうな。
ですから、卒論も「特定マウスの繁殖」について・・・。
そんな具合ですから、長女によれば、実験用マウスの飼育のために大学に入ったも同然だったと言います。
「薬学部」ではなくて、まるで「農学部」だった・・・、なんて言ってました。
このように、新しい薬、新しい細胞を作るにあたっては、さまざまな実験が繰り返されるのですが、それに使われるのが大量のマウスたちですね。
そうした陰の犠牲があって、それぞれの研究が成り立っているようです。
理系女子の一人として「薬学会会員」の末席を汚している長女でありますが、今回のこの騒動は、おなじ「リケジョ」としてザンネンな様子です。
というか、許せない様子です。
結局は「論より証拠」です。
その証拠を導くために、コツコツと毎日毎日積み重ねていくのが、「研究」ですね。
「論」ばかり主張しても「証拠」を示せなければ、何の意味もありません。
つまり、せっかく苦労して飼育した実験用マウスが、最終的にデータが改ざんされていては、何の意味もありません。
そのマウスを飼育した人たちにとっては、今回のSTAP細胞騒動は裏切られた思いだったでしょう。
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