風評被害 ?
漫画『美味しんぼ』が話題になっていますね。
それについて、「風評被害を助長するもの」という批判もあれば、「事実だ」という人もいます。
しかし、小生が購読している『静岡新聞』を読むと、この『美味しんぼ』なんて問題になりません。
たとえば、今年 (平成 26年) 5月 9日の『静岡新聞』夕刊には、連載記事として『全電源喪失の記憶 証言 福島第一原発 ► 30 一号機爆発 ⑮完 最期の覚悟の制御室』が掲載されました。
これは、証言に基づいた実名記事なので、内容が検証可能なものです。
それには、原発の建屋が水素爆発をした様子が描かれています。
こうした一連の記事を読むと、今もなお多量の放射線が環境に放出され続けていて、特定の地域の人だけでなく、日本人全体が「被ばく」していると考えるのが妥当だと思います。
つまり、日本人全員に「被爆者手帳」を発行しても可笑しくはない状況ですね。
したがって、福島第一原発の近くの人、あるいは作業に携わった人が、特別に「被ばく」したというのは初期的な状況で、爆発から三年以上も経った今、日本のみならず全世界の人が福島第一原発から拡散されている放射能に被ばくしているというレベルだと思います。
さらに言えば、地球の放射能汚染は、日本から発生しているものだけでなく、今でも、世界中のいたるところから放出され汚染されているとみるべきでしょう。
最近の記事でも、たとえば、イギリスの海岸の放射能汚染、世界各地の核実験場の風下の放射能汚染などなど・・・。
深刻なのは、旧ソ連の原子炉が放置されていること。
たとえば、原子力潜水艦は、そのまま深海に捨てられているとか、いずれ原子力衛星が地上に落下するだろうとか・・・
そういうわけで、地球の放射能汚染の根源を特定することは、もはや意味のないところまで来ているとおもいます。
とにかく、放射能汚染に対しては、人類は手も足も出ないということですね。
パンドラの箱を開けてしまった人類はどうなっているのか・・・
『美味しんぼ』や『全電源喪失の記憶』は、それを表現していると思います。
つまり、被曝による障害についての因果関係は既に特定できないものであるということですね。
したがって、上記の漫画や新聞記事は、ヒロシマ・ナガサキの「被爆者手帳」などは廃止すべきだという理屈に繋がるものとして意味があると思います。
たとえば、原子爆弾で被曝された方々のなかで、ご高齢になって発症した癌が、それが総て被曝によるものとすることには、無理があるということです。
そうして、その医療費が国の援助で無料になることには、がん患者の一人である小生には納得のいかないところです。
二人に一人の割合で癌に罹患する現在、そうした補償制度に何の意味があるのでしょうか ?
そういった観点から『美味しんぼ』を読むと、これは面白いと思いますよ。
フクシマの被曝障害が確定すれば、あらたな被爆者手帳を福島の人々に発行しなければならない・・・。
そういうことになれば、新たな補償制度を創設しなければならなくなり、国の負担が増える・・・。
いえ、そんなことはなく、放射能が拡散され、人類全体に行き渡っている今、被爆者を特定しそれを保護すること自体、無意味ということです。
最近のコメント