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巨室

セレブではない

拙宅とは全く関係のない世界のお話であります。
「富豪」のことを「セレブ」といいますね。
そんな話題に挑戦したいと思います。

さて、小生が子供の頃は「百万長者」という言葉があって、資産が百万円を超えていたら長者様と言っていましたが、現代は「億万長者」に替わったようです。
最近の高齢者は、1億円の資産を持っている人はザラにいて、現代でお金持ちで裕福な家とは 百億円ぐらいの資産を持っていないとそう呼ばれないようです。

そんな裕福な家のことを、かつては「巨室」 (キョシツ) と記し、「大家」 (タイケ) あるいは「巨家」 と同義語で使っていたようです。

今回は、その「巨室」について調べてみました。

そこで、大修館書店の『広漢和辞典』みると、「巨室」とは・・・

① 大きな家屋、大きな宮殿
② 祖先代々君に仕えている家がら・・・と記され、『孟子』の例文が添えられていました。

次に、インターネット辞書 『デジタル大辞泉』で「巨室」をみると、「巨室」「鉅室」とあり、その意味は

① 大きな家、部屋
② 勢力のある家 ・・・と記され、『泰西国法論』の例文が添えられていました。

そこで、鍛冶屋である小生は「鉅」という文字に着目してしまうのですね。

「鋸」とは「巨」のように「おおきい」と意味がありますが、ほかにも「非常に硬い」という意味があるということで「剛鉄」つまり「鋼鉄」、物差しの材料の性質を指しているのですね。

そこで、あらためて「巨」という字を『広漢和辞典』でみると、「さしがね」という意味がありました。
これは、寸法を測るため、あるいは直線を記すための道具という意味よりも、心のさしがね、つまり「契矩」(ケック 真心を基準とすること) という意味にあたるようです。

そうして あらためて「巨室」をみると、「代々勢力を守っている家」ということで、すぐに没落してしまう家のことではなく、永続性のある「手本となる家」という意味があることが分かります。

つまり「巨室」とはたんに「セレブ」とか「財閥家」を指すのではなくて、本来は「代々栄えている家」という意味ですね。

しかし、実際には「長者三代続かず」といわれるように「代々栄える家」を実現することは至難のことみたいですね。
結局、代々栄えていた家とか、代々君に仕えていた家が次々と没落したり断絶したので、「巨室」という意味も本来のこうした意味から離れて、単純に「大きい家」を構えている「富豪」とか「権力を持った家」ということになったようです。

そこで、戦前では「財閥」が「巨室」にあたったのですが、戦後では利権のある家が「巨室」ということになるのですが、現在は「巨室」なんて言葉を使う人は皆無だと思います。

そもそも日本には他家を見本とする習慣はなく、本家を尊重する習慣がありました。
したがって、家督制度があっても「巨室」という言葉を使う機会が日本には少なかったという背景があると思います。
しかし、さらに現在では「家」そのものの観念が薄れ、個人主義に固執していますから「巨室」なんて言葉に出会う機会はないわけですね。

そうして、日本はすっかりバラバラな国になってしまった感じですが、それでも団結した家は確かに今でも存在し、そうした家はちゃんとしています。

本日は、このぐらいで失礼します。
次回は、その「巨室」の「室」・・・について考察してみたいと思います。

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