再稼動に向けて
拙宅は、浜岡原発から半径 31㌔圏内、つまり、UPZという原発事故特別避難区域内にあります。
本日、そこに住む住民を対象にした「説明会」がありました。
最寄の駅に集合してバスで浜岡原発に。
なんと、原発の敷地内に入って、直接、現場を見て職員からの説明を受けました。
一般の人が入ることが出来る「観光施設」ではなく、本当の原発の敷地内です。
もちろん、入場するには厳重なチェックがありました。
まず、バスに乗る前に本人確認。
浜岡原発にバスが到着すると、下車する前に、再び身分証明書のチェック。
時間をかけて入念に本人かを確認します。
さらに、バスから下車すると、すぐに集合写真撮影。
誰が下車したか、証拠写真を撮ったようです。
さらに、原発の敷地内に入る前に、金属探知機、液体爆発物チェック、さらに手荷物は全てロッカーに預けます。
ですから、今回の見学会では、写真撮影とか写メなどが出来なかったので、見学許可書と現地の説明会で戴いた資料を載せておきます。
そうして、現物を見ながら、安全対策について丁寧な説明を受けました。
さらに、原子力研修センターという原発運転員を養成する施設を見学し、詳細な説明を受けました。
しかし、これは津波対策についてのみ。
その津波対策についても「お寒い」説明。
たとえば、20トンもある巨大な津波の防護扉についてですが、その重さで、地震の揺れで変形して、扉が閉まらなくなるのではないか ?
あるいは、海水取水口からの津波の浸入対策。
本当にそれで大丈夫なのか。
また、さらに予想される津波の高さが高くなったら、それに応じて、さらに津波壁を嵩上げするのか ?
電源確保のために、敷地内にガスタービン発電所を作っているようですが、それが、本当に安全対策に有効なのか ?
説明を聞くほどに、突っ込みどころ満載。
あの場合はどうするの ?
この場合は ?
まるで、現在、与党内で協議されている「集団的自衛権」問題みたいです。
あの場合、この場合・・・ではなく、一括して認めてしまえばよいのに・・・。
つまり、戦争に対応する場合、個別的事例を想定するのではなく、戦争そのものを考えて集団的自衛を認めるべきでしょう。
同様に、原子力災害について、個別的に想定して対策をたてるよりも、いっそうのこと止めてしまえばよいのに・・・。
そうすれば、発電所に関わる人も楽になるのに・・・と、思いました。
たとえ原子力発電を断念しても、廃炉工事や廃棄物処理のための仕事がありますから、原子力に関わっている人が一斉に失業することはないと思うのですが、いかかでしょうか ?
こんなにカネを掛けて、腐心して、原子力を続ける意味がどこにあるのでしょうか ? ?
しかし、本当に小生らが知りたいのは、津波とか地震など自然災害対策ではなくて、人為的なものについての対策です。
つまり、テロ対策。
我々人類が、チェルノブイリとか福島第一原発事故などで学んだことは、たった一本の配線、たった一本の配管を遮断するだけで、原子炉の燃料を溶け落とすことができる・・・ということです。
ですから自然災害よりも、人為的災害のほうが確実に怖いのです。
その対策をどうしているか・・・。。。。
たんに、コンクリート壁を 18メートルから 22メートルに嵩上げしても、人為的な飛来物の進入を防ぐことは出来ません。
もしかしたら、昨年、ロシアに落ちたような巨大隕石に襲われる可能性も 0ではありません。
そうした対策についての説明がありませんでした。
さらに、原子炉停止時に、五号機の原子炉に入った海水についての説明もありませんでした。
もちろん、核廃棄物についての説明もありません。
そこで小生は思いました。
こんなに安全対策にカネを費やすほど、原子力発電に価値があるのか ?
電力会社は、本当に原子力を利用してまで発電したいと思っているのか ?
たかが寿命 4~50年の原子炉のために、人類は何万年もの間、核燃料廃棄物を管理しなければならないなんて。
パンドラの箱を開けてしまった人類が背負った「罪と罰」は、あまりにも重い。
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