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2014年6月

『全電源喪失の記憶』 俺たち、もう駄目だ

証言 福島第一原発、東電の敗北

本日の『静岡新聞』夕刊の連載記事 『全電源喪失』 55 を読んだ感想です。

この記事は、2011年 3月に起きた福島第一原発の放射能漏れ事故を時系列に記した記事です。

実名で記されたもので、もちろん検証可能です。

55回目の記事は、 事故が起きて 3日目、2011年 3月 14日 午後 8時ごろの福島第一原発の様子を克明に記したものです。

原子炉建屋が水素爆発し、原子炉はメルトダウン。
そんな絶望的な状況の中、職員たちは・・・
「かあさん、先立つ不孝を許してくれよ」、妻にも「面倒をかけたね」
そして子供たちにも「たくましく生きてくれ」と。

原子炉の圧力容器の膨発を防ぐための「ベント」作業が行き詰ったときに、そこにい作業員の心境をつづったものです。

では、その「ベント」とはどんな構造なのか・・・。
イラストを見て、皆様の近くにある原子力発電所の煙突を見てください。

0001

これは、本日の夕刊を切り抜いたものです。

ベントとは、原子炉本体と直結しているもので、原子炉の圧力とともに放射能がそのまま放出される構造です。

現在、それではあまりにもまずいと言うことで、放射能漏れを防ぐための「フィルター」をつけようということになっています。

各原子力発電所では、そのフィルターの取り付け作業をして、再稼動に臨んでいます。

しかしですね、そんな夢のようなフィルターがあると思いますか ?

逆に、そういった「フィルター」があったら、そもそも原子力問題なんて根底から違っていたでしょう。

まやかしは駄目です。これでも、原子力発電に賛成しますか ?

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浜岡原発を見学してきました

再稼動に向けて

拙宅は、浜岡原発から半径 31㌔圏内、つまり、UPZという原発事故特別避難区域内にあります。
本日、そこに住む住民を対象にした「説明会」がありました。

最寄の駅に集合してバスで浜岡原発に。
なんと、原発の敷地内に入って、直接、現場を見て職員からの説明を受けました。
一般の人が入ることが出来る「観光施設」ではなく、本当の原発の敷地内です。

もちろん、入場するには厳重なチェックがありました。

まず、バスに乗る前に本人確認。
浜岡原発にバスが到着すると、下車する前に、再び身分証明書のチェック。
時間をかけて入念に本人かを確認します。

さらに、バスから下車すると、すぐに集合写真撮影。
誰が下車したか、証拠写真を撮ったようです。

さらに、原発の敷地内に入る前に、金属探知機、液体爆発物チェック、さらに手荷物は全てロッカーに預けます。

ですから、今回の見学会では、写真撮影とか写メなどが出来なかったので、見学許可書と現地の説明会で戴いた資料を載せておきます。

2014062109200000 2014062117300000

そうして、現物を見ながら、安全対策について丁寧な説明を受けました。
さらに、原子力研修センターという原発運転員を養成する施設を見学し、詳細な説明を受けました。

しかし、これは津波対策についてのみ。

その津波対策についても「お寒い」説明。
たとえば、20トンもある巨大な津波の防護扉についてですが、その重さで、地震の揺れで変形して、扉が閉まらなくなるのではないか ?

あるいは、海水取水口からの津波の浸入対策。
本当にそれで大丈夫なのか。

また、さらに予想される津波の高さが高くなったら、それに応じて、さらに津波壁を嵩上げするのか ?

電源確保のために、敷地内にガスタービン発電所を作っているようですが、それが、本当に安全対策に有効なのか ?

説明を聞くほどに、突っ込みどころ満載。
あの場合はどうするの ?
この場合は ?
まるで、現在、与党内で協議されている「集団的自衛権」問題みたいです。

あの場合、この場合・・・ではなく、一括して認めてしまえばよいのに・・・。
つまり、戦争に対応する場合、個別的事例を想定するのではなく、戦争そのものを考えて集団的自衛を認めるべきでしょう。
同様に、原子力災害について、個別的に想定して対策をたてるよりも、いっそうのこと止めてしまえばよいのに・・・。
そうすれば、発電所に関わる人も楽になるのに・・・と、思いました。

たとえ原子力発電を断念しても、廃炉工事や廃棄物処理のための仕事がありますから、原子力に関わっている人が一斉に失業することはないと思うのですが、いかかでしょうか ?

こんなにカネを掛けて、腐心して、原子力を続ける意味がどこにあるのでしょうか ? ?

しかし、本当に小生らが知りたいのは、津波とか地震など自然災害対策ではなくて、人為的なものについての対策です。
つまり、テロ対策。

我々人類が、チェルノブイリとか福島第一原発事故などで学んだことは、たった一本の配線、たった一本の配管を遮断するだけで、原子炉の燃料を溶け落とすことができる・・・ということです。
ですから自然災害よりも、人為的災害のほうが確実に怖いのです。

その対策をどうしているか・・・。。。。

たんに、コンクリート壁を 18メートルから 22メートルに嵩上げしても、人為的な飛来物の進入を防ぐことは出来ません。

もしかしたら、昨年、ロシアに落ちたような巨大隕石に襲われる可能性も 0ではありません。

そうした対策についての説明がありませんでした。

さらに、原子炉停止時に、五号機の原子炉に入った海水についての説明もありませんでした。

もちろん、核廃棄物についての説明もありません。

そこで小生は思いました。
こんなに安全対策にカネを費やすほど、原子力発電に価値があるのか ?
電力会社は、本当に原子力を利用してまで発電したいと思っているのか ?
たかが寿命 4~50年の原子炉のために、人類は何万年もの間、核燃料廃棄物を管理しなければならないなんて。

パンドラの箱を開けてしまった人類が背負った「罪と罰」は、あまりにも重い。

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日本は三権分立ではない

総連本部、一億円納めれば、売却停止

今晩のニュースは、ワールドカップの日本選手の活躍か・・・と思ったら、テレビもネットも、朝鮮総連本部の売却問題。

産経新聞によれば、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物の競売をめぐり総連側が申し立てた許可抗告について、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は、総連側が供託金1億円を納めることを条件に、一時的に売却許可決定の効力を停止する決定をした・・・そうだ。

この異例な最高裁の決定は、単なる司法判断とは考えられませんね。
当然、政治がらみであることは誰が見ても明白。
しかし政府は、三権分立を楯に、これは司法判断として、政府とは関係がないとシラを切っています。

しかし、これは誰が見ても、北朝鮮への事実上の「譲歩」。
今までの経過を考慮してみれば、もちろん、その 1億円は北朝鮮が払うわけでもなく、日本政府か誰かが‘立て替え’ることは容易に想像できます。
そうして、拉致問題解決に資するように・・・と考えたのでしょうか ?

しかし、北朝鮮が何もしていないのに、そうしたカードを切ることは、これは日本外交の敗北ですね。

相手側の出方に沿ってカードを選ぶ・・・。
その我慢ができない日本は、結局は、何も出来ないまま相手にカネを取られるだけ。
日本の外交は、学習能力がないみたいですね。

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『全電源喪失の記憶』

生々しい記事に絶句

購読している『静岡新聞』夕刊の連載記事『全電源喪失の記憶』を読んでいます。

今夕は、『東電の敗北 ⑤ 「いる人間でやるべ」』。

2011年、3月14日の福島第一原発の「記憶」です。

この記事は、二基の原子炉建屋が「水素爆発」をした直後、地元の協力企業が瓦礫を撤去した様子を伝えたものです。

高線量の放射線が飛び交う中、事態を収拾するには、まずは散乱した瓦礫を撤去しなければならない。
その後のメルトダウンした原子炉の冷却作業につなげるためです。

作業に当たった人は、警報機つき線量計を持っていたそうですが、作業中に警報が鳴ったかは記憶になかったようです。

その人の名は 栃木良重氏。
氏は、11日の事故発生以後、崩れた構内道路の補修、津波や建屋の爆発で散乱した瓦礫の撤去、バキュームカーを使った原子炉注水用の水の運搬と、縦横無尽に作業を続けたそうです。
その姿を記憶している東電社員は「凄かった」と、語ったそうです。
彼が、その間に被曝した線量は ?

そんな心配をよそに、余震が襲う。
さらなる津波を心配した東電社員が、「逃げよ !」と叫ぶ。
しかし、栃木氏が乗っている重機の速度は、たかだか 時速 7㌔しか出せない。

とにかく、現場から離れず、重機を操作し続けた栃木氏。

「なっちゃものはしょうがねぇ。いる人間でやるしかねえべ。」

夜になって ようやく 栃木氏は退避命令に従って、重機の鍵を東電職員に託した。

ところが、その二週間後、栃木氏は、原子炉使用済み核燃料プールに注水するためのコンクリート圧送機の遠隔操作方法を学び、第一原発に戻ってきた・・・。

日本は、こうした地元の職人たちの気質によって救われたようです。

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金目の問題

禁句Photo

小生は、この半世紀の生涯で 3度の区画整理による立ち退きに遭いました。
この世の中で、転勤族とか、流しの芸人一家など、引越しを常とする人たちがいることは存じていますが、同じ市の区画整理で 3度も立ち退いた人は珍しいと自負しています。

一応、引越しなどに関わる補償金などを戴くわけですが、学区の変更など、お金には代えられない負担が確かにあります。
しかし、それによって世の中が便利になるのなら、仕方ないと思います。

しかし、区画整理に当たった人の中には、ゴネて得をしようとする人が確かにいますね。
たいてい、そういった人たちはサヨク系が多いと思います。

しかし、立ち退く人たちが総てサヨク化するわけではありません。2012060116190000
やはり、住み慣れたところから離れるのはザンネンであります。
また、せっかく計画をして建てた家が壊される姿は、見ていて悲しくなります。

そうした立ち退きの問題は、総てお金で解決することは確かです。

しかしですね。
カネの問題と、金目の問題とは、意味が全然違います。

「金目」とは、「金目的」、「金目当て」の略語です。

立ち退きをお願いする側の人が、「金目」という言葉を使うことが、立ち退く側の相手にとって、どんなに屈辱的なことか分からないのでしょうか ?

・・・というわけで、石原環境大臣には「レッドカード」を差し上げたいと思います。
速やかにご退場ください。Photo_2

ところで、「レッド」に「金目」といえば「金目鯛」。
駿河湾で獲れる「金目鯛」は美味しいですよ。

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リリー・フランキーさん

ひょうひょうとした人Photo

最近、テレビ番組で リリー・フランキーさんを身掛けるようになったと思います。

過日も、NHKの土曜ドラマ『55歳からのハローライフ』で主演をしていました。
これは、小説家 村上龍さんの『静岡新聞』の連載小説をドラマ化したものですね。
リリー・フランキーさんは、その役にピッタリだと思いました。

その翌日には、フジテレビ系の『ワンダフルライフ』という番組で MC をしていました。
その日のゲストは、大相撲の横綱 白鵬関でした。
リリー・フランキーさんは、身長 175センチ・体重 62キロなんだそうで、それは 白鵬関が相撲界に入門したときの身長と体重と同じということですね。今では身長 192センチ・体重 153キロという立派な体格な横綱。
リリー・フランキーさんと比べてみて、どれだけ スマートだったかが分かりますね。
ちなみに、白鵬関が 2年前に大学病院で調べてもらったところ、筋肉の重さが 116キロ、体脂肪率 24% ということで、全身筋肉質ということがよく分かります。

ちなみに、ちなみに、小生の体脂肪率も 24%です。

そういうわけで、リリー・フランキーさんの司会ぶりは面白かったです。

彼の場合、一生懸命仕事をする・・・というイメージが伝わってこないのがいいですね。
その点は、仕事が嫌いな小生と似ていると思います。

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友が友を呼ぶ

同類親和の法則

さて、以前に記した「巨室」に関する考察の続きです。

ところで、人間社会とか生命体を観察すると、熱力学の第二法則である「エントロピー増大の法則」に反している様子が伺えます。

エントロピー増大の法則とは、風呂にアツイ湯と 冷たい水を混ぜれば、ほどよい湯加減になるという法則。
地形も風化して、山が崩れ 谷が埋まり、いずれは平らになってしまう・・・。
自然界で放っておけば、すべてが一様になる・・・。それが熱力学の第二法則「エントロピー増大の法則」です。
しかし、実際には、エントロピーが縮小していく現象もあります。
それが生命体であったり、組織です。
蟻や蜂の巣が、みるみるうちに巨大化していく様子をみると、生命の不思議さを感じます。
また、火山の噴火、大地震などが起きて、土地が隆起などして、地形はいよいよ複雑になっていく・・・。
そうしてみると、地球は生命体であることがよく分かります。

人間社会も同様で、人の数が多くなると、「エントロピー増大の法則」のようにバラバラで一様になるかと思えば、そうにはならず、似た者同志が集まって組織を作り始めますね。
小生のような貧乏人には貧乏人の友達が集まって安い酒を飲んでいます。

逆に、上流階級のセレブ、つまり「巨室」たちは、メンバーズクラブの高級酒場で、美女を横にしてカクテルとかワインを嗜 (たしな) んでいます。

そういうわけで、金持ちは金持ちの集団を作って、いよいよ強大になっていきます。
そうした力が権力となり、利権となり、そのテリトリーを広げようとしたり、それを死守しているわけです。

逆に、小生のような貧乏人同志が集まると「徒党を組む」なんて表現されて、なにか悪事でも働くような印象です。
実際に、我祖先は、東海道を往来する旅人を襲って生計を立てていた山賊であったようです。
昔は生活が苦しくて、そうでもしないと生きていけない事情があったようです。

封建時代は、庶民は役人などに富を搾取されていた・・・というのが、一般の歴史の常識になっているようです。

しかし、そのなかでも、豪農などかいて、小作人を使って「巨室」になった一族がいたようです。
それが豪族となり、武装してそのテリトリーを拡大させたり守っていたようですね。
そうして歴史が刻まれていったようです。

さらに「豪商」が現れ、産業革命が起こると「鉄工王」「石炭王」などの「王」が現れます。
その「王」らが財団をつくり、その存在をさらに強固なものにしました。

その最たるものがエネルギー利権。
つまり、生活や産業の元となるエネルギーを牛耳って世界制覇をこころみるようになります。

日本にも、そうした「巨室」の集団があるのですが、黒幕となっていて姿を表そうとしないのですね。
ひっそりと、着実に財をなしているようです。
賢い人は姿を現さないのです。Sco_map

ところが、世界に目を向けると、あからさまに振る舞っています。

特に、かつてのモンゴル帝国を中心にしたテリトリーだった地域が、SCOという組織を形成していて、エネルギーで周辺国を支配しようとしています。
その動きが不穏なんですね。

日本も、ようやくその存在に気付いて警戒し始めています。
うかつに、北方領土問題には近づけない状況です。

とにかくロシアと交渉するときには「ひも付き」に注意が必要です。

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横綱 白鵬のブログ

妻を気遣うPhoto

大相撲 横綱 白鵬 のブログが話題となっていますね。

もし自分なら、優勝会見には応じて、子供のことが聞かれたらお茶を濁すでしょう。
日本人ならそれが出来たかもしれません。

しかし、モンゴル相撲の王者の血統を持つ 白鵬は、真面目で正直な好青年です。
「お茶を濁す」感覚は、そこでは沸かなかったのでしょう。

それだけ、妻への愛情を感じます。
白鵬の強さの源の要因なんでしょう。

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「巨人」と「奥さん」

「室」とはPhoto

前回の「巨室」の続きです。
今回は「室」という字に迫ってみましょう。

各種 辞書辞典で「室」という字を調べてみると、それは「部屋」ということで、家の奥の間、寝室を意味しているようです。
さらに「穴」とか「箱」という意味もあるようで、それを人に譬えて「正室」「奥さん」「夫人」「家内」と呼ばれる女性を意味しているようです。
『刑事コロンボ』では「カミサん」と呼んでいましたね。
小生は「妻」のことを「家内」と呼んでいますが、それは差別用語で使ってはいけないらしいのですが、小生は「言葉狩り」には反対なので、敢えて「家内」という字句を使っています。
しかし、心の中では 刑事コロンボのように、カミサん・・・いえ「神さま」であります。

そういえば、神社でもご神体は本殿の奥に祀られていますね。
そうしたいみでも、カミサんは奥に鎮座しているもののようです。
拙宅の「家内」の今の様子を見ていますと、台所の奥で、煎餅を食べています。
どうやら、おかげさまで健在であります。

ちなみに拙宅のカミさまは、対外的には小生のことを「主人」と呼んでいるようです。
これも「逆差別」用語として禁止されているようですが、「家内」は平気でその字句を使っています。
しかし、心の中では小生のことを「主人」と思っているのでしょうか ?
実生活をみていると、小生は「主」というよりも「僕」みたいな感じです。

そういうわけで「巨室」の「室」は「室家」 (シッカ) という意味であるようです。
つまり「家」ということですね。
なお、「室」に第二義の「奥さん」という意味がるからと言って、「巨室」に「ビックワイフ」という意味はないようです。

さて、「巨室」とは「代々栄えている家」ということで、その「家」の創始者がいたはずです。
英語では創始者のことを「builder」「founder」というそうですが、とくに「巨室」の創始者のことを「ジャイアント」と呼ぶことがあるようです。

・・・そうです、ジェームス・ディーン主演の映画「ジャイアンツ」ですね。
確か「石油を掘り当てた使用人」の悲哀の物語でした。

セレブになるにはジャイアントにならなければならないようです。
そのジャイアントになるには人並みはずれた「強運」や「努力」が必要のようですね。

その「巨人」がさらに「巨室」を築くには大変なことであることを、この映画は示していると思います。
成金になっても、それを「累代」にするということは、個人の資質だけの問題ではないということでしょう。

そういうわけで、「巨室」を維持しているということは、創始者の努力は勿論ですが、それを維持する「守勢者」の努力も並なものではないということですね。

そうした「巨室」に必要な条件のひとつが「内助の功」。
つまり、奥さんの支えですね。これがなければ、家が続きません。
逆に、セレブの奥さんが放蕩な生活をしたら、その家はいっぺんに没落するでしょう。

そういうわけで、やはり「巨室」の「室」は、それを支える「奥さん」の存在を表していることは間違いないでしょう。
そういう意味では、「グレートワイフ」「グレートマザー」が「巨室」には必要不可欠ということでしょう。

次回は、こうした「セレブ」が集まった「サロン」「クラブ」「パーティー」について記してみたいと思います。

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巨室

セレブではない

拙宅とは全く関係のない世界のお話であります。
「富豪」のことを「セレブ」といいますね。
そんな話題に挑戦したいと思います。

さて、小生が子供の頃は「百万長者」という言葉があって、資産が百万円を超えていたら長者様と言っていましたが、現代は「億万長者」に替わったようです。
最近の高齢者は、1億円の資産を持っている人はザラにいて、現代でお金持ちで裕福な家とは 百億円ぐらいの資産を持っていないとそう呼ばれないようです。

そんな裕福な家のことを、かつては「巨室」 (キョシツ) と記し、「大家」 (タイケ) あるいは「巨家」 と同義語で使っていたようです。

今回は、その「巨室」について調べてみました。

そこで、大修館書店の『広漢和辞典』みると、「巨室」とは・・・

① 大きな家屋、大きな宮殿
② 祖先代々君に仕えている家がら・・・と記され、『孟子』の例文が添えられていました。

次に、インターネット辞書 『デジタル大辞泉』で「巨室」をみると、「巨室」「鉅室」とあり、その意味は

① 大きな家、部屋
② 勢力のある家 ・・・と記され、『泰西国法論』の例文が添えられていました。

そこで、鍛冶屋である小生は「鉅」という文字に着目してしまうのですね。

「鋸」とは「巨」のように「おおきい」と意味がありますが、ほかにも「非常に硬い」という意味があるということで「剛鉄」つまり「鋼鉄」、物差しの材料の性質を指しているのですね。

そこで、あらためて「巨」という字を『広漢和辞典』でみると、「さしがね」という意味がありました。
これは、寸法を測るため、あるいは直線を記すための道具という意味よりも、心のさしがね、つまり「契矩」(ケック 真心を基準とすること) という意味にあたるようです。

そうして あらためて「巨室」をみると、「代々勢力を守っている家」ということで、すぐに没落してしまう家のことではなく、永続性のある「手本となる家」という意味があることが分かります。

つまり「巨室」とはたんに「セレブ」とか「財閥家」を指すのではなくて、本来は「代々栄えている家」という意味ですね。

しかし、実際には「長者三代続かず」といわれるように「代々栄える家」を実現することは至難のことみたいですね。
結局、代々栄えていた家とか、代々君に仕えていた家が次々と没落したり断絶したので、「巨室」という意味も本来のこうした意味から離れて、単純に「大きい家」を構えている「富豪」とか「権力を持った家」ということになったようです。

そこで、戦前では「財閥」が「巨室」にあたったのですが、戦後では利権のある家が「巨室」ということになるのですが、現在は「巨室」なんて言葉を使う人は皆無だと思います。

そもそも日本には他家を見本とする習慣はなく、本家を尊重する習慣がありました。
したがって、家督制度があっても「巨室」という言葉を使う機会が日本には少なかったという背景があると思います。
しかし、さらに現在では「家」そのものの観念が薄れ、個人主義に固執していますから「巨室」なんて言葉に出会う機会はないわけですね。

そうして、日本はすっかりバラバラな国になってしまった感じですが、それでも団結した家は確かに今でも存在し、そうした家はちゃんとしています。

本日は、このぐらいで失礼します。
次回は、その「巨室」の「室」・・・について考察してみたいと思います。

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『全電源喪失の記憶』 証言 福島第一原発

避難なのか逃亡なのか

もし、自分だったらどうしただろうか・・・

そんなことを常に考えさせれれるのが、『静岡新聞 夕刊』の連載記事 『全電源喪失の記憶  証言 福島第一原発』です。

今晩の記事のタイトルは、「⊳ 39 制御不能 ⑨ 運転員の中に妊婦も」。
つまり、全電源喪失に陥り、水素爆発した福島第一原発の運転員のなかに妊娠四ヶ月の女性運転員がいたのですね。

彼女は、東電初の女性運転員。原発が全電源喪失した際、運転員として最後まで制御室にとどまらなければならない・・・。彼女はそう思ったそうです。

しかし、実際には福島県川俣町の小学校の体育館で 1号機の爆発の様子をテレビで見ていたのでした。
その様子を見ていた避難民の男性から「おまえ、何でここにいるんだ。俺たちを監視しているのか ? 」と問われたようです。
彼女は、東京電力の青い作業服を着ていたからなんですね。

このように、この新聞の連載記事は、全電源喪失に陥った原発を、必死に冷却しようとする作業員だけでなく、色々な事情で、職場から避難した作業員の様子が記されています。

それが、あらためて新聞記事になったこともありました。Photo_2
つまり、第一原発の吉田所長の記録によれば、多くの作業員が第二原発や近くの避難所に「避難」した様子です。

この連載記事のシリーズの中には、資材を運んだトレーラーの運転手が、爆発で建屋が吹き飛んだ原発を目撃して、そのまま車を放棄して逃げてしまったことなども記されたこともありました。

福島の現場から遠く離れた東京の本社の社員の中にも、事故直後に退職して海外に逃げた者がいたことが問題になったこともありました。

現在でも海に流出し続けている大量の汚染水。
それを食い止めるために、 事故から 3年以上も経った今になって ようやく 冷凍壁の設置に着手したことがテレビのニュースで報じられていました。

こんな様子なのに、原発を推進する人がいまだにいることには、不思議です。
その中に日本の首相がいることに、唖然とするとともに絶望感を感じてしまいます。
毎月のように福島に足を運んでいるという首相。
何が彼を原発推進思考にさせているのでしょうか ?

また、なぜ、エネルギー利権は代替エネルギーの開発や普及を妨害するのか・・・

欲に目がくらんだ人の目には、見えるものも見えていないようです。

そこで、次回からは、昔の言葉である「巨室」について考えてみたいと思います。
「居室」の間違いではありませんよ。

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