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所 功 編著 『日本の宮家と女性宮家』

スペア確保2014042620070000

小生は長男、そして家内は長女ということで、弟妹の気持ちが分からない夫婦です。
その夫婦の間に生まれた次男坊が、「どうして僕は、お兄ちゃんやお姉ちゃんのお古ばかりで、新しいものを買ってもらえないのか ? 」と、家内に詰問したことがあるそうです。

どうやらその答え方が最悪だったらしく、次男坊の心を深く傷つけ、その悔しさは、小学校の卒業文集にも滲ませていました。

その題が「僕はお兄ちゃんのスペアタイヤ」。
この題名だけで、家内が何を言ったのか想像できるでしょう。

子供のみならず大人だって、自分の存在は特別なもので、誰にも代えがたいものです。
さらに、戦後の「自由・平等」教育によって、個人主義が確立しました。

そんな時代に、自分という存在が親から「スペア」「予備」と言われては、不良になっちゃいます。
しかし、次男は真っ直ぐに育ってくれて、いまでは母の大失言を理解して許しています。

現実の社会では、野球にも二軍があり、サッカーにも控えの選手がいます。
つまり、集団では『予備軍』の存在が重要な鍵になりますね。

そうは言っても、予備の選手に対して、あなたは「スペアだ」なんて失礼な言い方をしてはいけません。
彼らは、レギュラーと同じ気持ちで頑張っていますから。

さて、ここで紹介する本は、日本の元首のスペアに関する本です。
つまり、次期天皇をどうするのか・・・ということで、今上陛下をはじめ、将来の天皇候補者の崩御を前提にした話ですから、失礼千万なものです。
戦前に、こんな本が出れば「不敬罪」に問われて、「万死」に値するでしょう。

しかし、戦後になり、主権が国民に移った時点で、今度は、その国民に「次期天皇」問題をどうするのか、その責任が降りかかっています。

つまり、今の憲法や法律では、天皇には公務の義務が記されているだけで、権利は何も記されていないのですね。
自分の後継者を決める権利もないのです。

そういうわけで、天皇の後継者問題は、この国の主権者である国民に委ねられているのですね。

この本は、その国民の責任について述べてはいません。
皇統の継続が危機的状況であって、今、この時点で手を打っておかないと、大きな禍根を残すと警鐘を鳴らしています。
さらに、それを打開するためには「女性宮家」をすぐにも創設しなければ間に合わないと説いています。

ところが、国民のほとんどが現行の皇統の「男系男子の相続」を支持しているようで、「女性」とか「女系」という「女」の文字が入っているだけでも、全身にアレルギーを呈する人までいるということで、「女性宮家」という文字を見ただけでも、読む気になれないようです。

しかし、そんな「女」アレルギーの人にこそ読んでいただきたい一書です。
女性の方が読めば、女性が日本を支えてきた様子がよく分かり、勇気がわいてくるかもしれませんね。
ピンチを救ったのは、いつも女性で、今回の皇位継承問題でも、秋篠宮の紀子さまによって日本は救われました。
しかし、皇統の危機が全くなくなった訳でもなく、根本的な問題は残ったままです。

それにしても、男性である小生は、読んでいるうちに寒くなって、大きな不安に襲われました。

所 功 (ところ いさお) 編著 『日本の宮家と女性宮家』 (女性宮家創設と皇位継承問題を解き明かす) 新人物往来社 2012年 9月25日 第一刷発行 ISBN 978-4-404-04251-4  全一巻 348ページ

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