天璽畏言
ご無沙汰しておりました。
暑さ寒さも彼岸まで・・・とはよく言ったもので、今年の猛暑もスッカリおさまった感じですね。
本日は、中秋の名月、しかも満月ということで、秋であります。
秋といえば、文化の秋、スポーツの秋・・・
しかし、小生にとっては、味覚の秋、つまり食欲の秋であります。
そうは言っても、食べてばかりでは太るばかりですので、就眠の誘い水として、本を読むのも良いでしょう。
そういうわけで、今回も「本」についてご紹介したいと思います。
ところで、「本」は、当然ながら文字で記されています。
その文字もいろいろあって、東アジアでは中国の影響を受けて、日本をはじめ、韓国もベトナムなども漢字圏とされています。
しかし、漢字圏で暮らしているといっても、読もうとする本が本格的な漢文で記されていると、珍文漢文 ? で、なんて読んでいいのか分からないのが一般のアジア人だと思います。
本家、中国に行っても、漢字が分からない中国人が意外と多く、さらに、日本にはない漢字があって、なんて読んでいいのか分からないことがありますね。
たとえば、「中華人民共和国」を中国では「中华人民共和国」と記しています。
中国でも画数の多い漢字は略字化しているようですね。
そういうわけで、日本では、漢字を母体として平仮名や片仮名を発明し、和言葉の音に合わせた文字を織り交ぜて、日本語としています。
韓国の場合は、規則正しいハングル語を発明し、また、ベトナムではフランスの植民地時代に培ったアルファベットを利用して音を合わせ、難しい漢語に対応させているみたいですね。
そういうわけで、漢字圏では、昔の漢文を読める人が少なくなっています。
その漢文が読めなくて困る理由は、中国の古文や古書が読めないからではありません。
本当に困るのは、わが国の最古の歴史書とされる記紀をはじめとする日本の古書が漢文で記されているのが多いのですね。
つまり、日本の重要な歴史書が漢文で記されているので、それを読むには、必然的に漢語や漢文の素養が必要となるわけですね。
漢文を読むのが嫌な人は、その文章の注釈文、あるいはその本の解説書を読むのも良いでしょうが、そうした類の書物は、どうしてもその著者の思い入れが反映していて、書物として正確でないことが多い気がします。
ですから、やはり原書を読むことは大切なことだと思うのです。
そこで日本の場合、幸いなことに、漢文にしても古文にしても、その文法を発見して、現代の和文と対応させてなんとか読める状況になっていると思います。
そして、読みに慣れてくれば、いちいち上下しなくても、縦読みができてくると思います。
さて、今年は、20年に一度とされる伊勢神宮の式年遷宮の年ですが、その伊勢神宮を詳細に著している『伊勢神宮とわが国体』という本を、このブログで紹介したことがありました。
これは、大正四年に発刊されたもので、全体が文語調で、漢文で記された史料もふんだんに引用されています。
つまり、今の本のように、読者に読みやすいようになっていないのですね。
どちらかといえば、学術論文に近いものです。
ベストセラーを狙った書物ではないということでしょう。
( 内容が似ている本として 『伊勢神宮とわが国体』の著者 広池千九郎の実弟という 一松又治 ( ひとつまつ またじ ) が著した『伊勢神宮と大和民族』があります。この本は、読みやすいと思います。)
その『伊勢神宮とわが国体』という本の中で、江戸時代の国学者である矢野玄道 ( やのはるみち ) という人が考証したとされる『天璽畏言』という本が引用されていますが、これも現代では電子図書として閲覧することができます。
(本当に、便利な世の中になったものだと思います。)
それをみると、江戸時代までの内裏の様子がよく分かります。
内裏とは、いわゆるタブーとされていた「菊のカーテン」の中のことですね。
皇室の歴史や儀式に関心のある人にとっては、非常に興味深い記事が記されていると思います。
( ある意味、日本人には、必要な知識かもしれません。)
秋の長夜で眠れない人は、よかったら、そんな本にも挑戦してみてはいかがでしょうか ?
この本は、電子書籍にも登場しているぐらいですから、そんなにマニアックなものではないと思います。
当然、尊王思想的に偏っているようにも思いますが、 Wikipedia の皇室関係の記事を読むと、この本を参考にしていると思われる文章に出会いますから、「大丈夫」の範疇だと思います。
ちなみに、同様に現在のご皇室の内部の様子を記した本としては、『象徴天皇』 ( 岩波新書.1987年.高橋紘 著 )の「宮中祭祀」の項などに詳細に記されていますよ。
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