天照大神がスゴい理由
国体の意味
本日は、今上陛下が仰せられた「日本国民が忘れてはならない日」のひとつです。
いわゆる ヒロシマです。
この「ヒロシマ」と、次の「ナガサキ」の二発の核爆弾で、日本語の「国体」の意味が変わりました。
つまり、戦前の国体の意味は、国柄およびその本質という意味でした。
しかし、戦後の国体は「国民体育大会」の略語です。
こうして、戦前の国体という言葉は死語となり、その国体論は右翼思想として偏狭な思想としてみなされているのですね。
ところで、今年は 20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮の年です。
その伊勢神宮の内宮には、天照大神が祀られています。
また、皇居の賢所でも、天照大神が祀られているといいます。
その天照大神が日本の皇祖として崇拝されてきた理由が記された本が、国会図書館にありましたから、ご興味のある方は、参考にしていただきたいと思います。
それが、神宮皇學館教授 広池千九郎 が著わした 『伊勢神宮と我国体』という本です。
いわゆる「国体論」を記した論文調の著作です。
しかし、この本は、最初から ザンネン な本であると思います。
つまり、日本の国民性が世界で最高である理由を述べる目的で記されているからです。
考えてみれば、どの民族も どの宗教でも 自分たちが最高だと思っていますね。
そうしたなかで、日本民族が最も優れていることを説いても、他の民族や宗教の人は聞く耳を持たないと思います。
特に、今の日本のなかで嫌韓思想を持っている人以上に、朝鮮に対する偏見は、相当に強いものです。
それが、当時の日本人が、当時の朝鮮人に抱く常識だったのかもしれませんが・・・。
また、それが日本が国粋主義に走った原因にもなり、そうした意味で、この本は「ザンネンな本」であると思います。
そういた意味では「国内向け」の本でありましょう。
しかし、それにしても天照大神がスゴい理由、日本国民から尊崇されてきた理由が考証的に記されている点は評価できると思います。
まぁ、学問というよりも、汎神論と言うほうが近いかもしれません。
あるいは、今となっては厚い信者の単なる宗教論と片付けられてしまうのかもしれませんね。
いずれにせよ、天照大神の信仰の理由、皇統のはじまりを知る上で、また、明治・大正時代の考え方を知る上で、大いに参考になると思います。
まずはご覧になってください。
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コメント
私は60を過ぎるまで伊勢神宮の意味も天照大御神の意味も知りませんでした。昨年の暮れ頃から、環境についていろいろ書く中で、持続可能な世界は石器時代しかないということから縄文時代、古墳時代、魏志倭人伝、記紀と読むようになりました。今年の4月には伊勢参りにもいきました。
天皇家といってももとは人殺しですよ、はっきりいえば。もちろん殺した相手だって人殺しだったわけですね。国譲りといってもそれは建て前、恐喝、脅迫、そんなことだったのでしょう。
でもそういう殺伐としたことではなく、そういうなかでいかにいろいろな人が折り合いをつけて生きていくかという模索を2000年してきたわけです。
だから天照大御神がなにものかというよりも、それを使って日本人が協調して生きてきたということを考えるべきでしょうね
おっと、イギリスであろうとどこであろうと、王家というのは人殺しですからね
そりゃ恨みっこなしですよ
中国では今でも殺し合いをして政権を取り合ってますが
韓国では大統領を引退するたびに刑務所行きとか死刑とか・・・いまだ進歩がありません。
投稿: おばQ | 2013年8月 6日 (火) 22時08分
おばQさま、早速のコメントをありがとうございました。
人類の歴史は戦争の歴史。
そのなかで、日本の建国の精神は、それとは違っていた・・・ということを「伊勢神宮と我国体」では詳しく説明していました。
実際に、国譲りの古話が「無血譲渡」だったかは知る由もないのですが、なかには勢力の差が違いすぎて、最初から戦う意欲もなくなってしまったというのもあったでしょう。
いずれにしても、国学を基に記された本ですから、想像を膨らませて、国体論を展開していることは否めないと思います。
日本の天皇は、権力の象徴として崇拝されてきた一方で、その権力争いの具として、「天皇の血が流れている」という理由で、幾度も襲われ、殺されたりしています。
それなのに、いまだに皇室が続いている・・・
この本は、その理由を熱く、明快に説明していると思います。
また、日本の国民性の由来も分かり、そうした意味で参考になると思います。
ただし、ホントか否かは分かりませんが。
ところで、国会図書館は使えますね。
http://kindai.ndl.go.jp/
投稿: あらま | 2013年8月 7日 (水) 07時55分