SAYONARA JAPAN - 3
デフォルトを待っている集団
あるメガバンクでは、昨年度は国債の運用だけで 1,500億円の利益を得たそうです。
銀行にとって国債は、収益の大きな柱となっているのですね。
その銀行員によれば、「銀行は、顧客の大切なお金を預かっているので、まず安全なものとなると『日本国債』。そして、日本国債に見合うほどの規模をもつマーケットが他にない・・・。
結局、銀行にとって日本国債市場は、『運用できる』大事なマーケットということになっている。」
こうして、某メガバンクにとって国債は、総資産の 1/5 にまでなっているようです。
したがって、銀行は国債の値動きに目を尖らせているのですね。
「リスクはないとは思うが、ここは相当注意して見守らなければいけない。」というのはもっともな話しでしょう。
こうして、国債への依存を強める日本の金融機関。
一方で、国債の値動きによって経営の健全性が左右されるリスクもかかえています。
そこで、こうした日本の金融機関の状況について、IMF (国債通貨基金) は、警鐘を鳴らしています。
「日本国債が金融機関に集中していく状況は、金融システムの安定にとって非常に危険だ。」と。
IMFの「国際金融安定性報告書」によれば、「もし、日本国債の価格が下落すれば、日本の金融機関が軒並み多額の損失を抱えてしまう。そして、金融不安につながりかねない・・・」と指摘しています。
そんな中、日本国債を投機の対象としている集団がいます。
そのひとつが、ヘッジファンド。
去年の 2月に、アメリカの経済専門チャンネルで放送された特集番組で、某ヘッジファンドの代表が、「私たちは何年も前から日本の借金は返済できないレベルにあると考えている。」という発言がありました。
そのヘッジファンドでは、日本の国債の価格が下がって金利が上昇する機会を待っているというのです。
「日本は、驚くほど税収が落ち込んでいる。これは日本国債にとって深刻な問題なのに、なぜか日本では問題視されていない。」
「日本の人口は減り続けている。税収はさらに落ち込み続けるだろう。それでいて、社会保障費は増え続けている。日本の財政赤字は膨らむ一方だ。」
「したがって、日本国債は、いつか、突然、急落するだろう・・・」
彼らは、こんなぐあいに日本の状況を観測し、日本国債の「変化」を待ち構えているのですね。
こうしたヘッジファンドの観測に同調する人は少なくないようです。
この番組を観て、日本国債に興味をもった人の中には、日本国債の金利が 1.8% になったら仕掛けようとしているようです。
そうして 3.0% にまで上昇したときに放せば、巨額の利益が転がり込むと思っているようです。
「金利が 3.0%になってくると、日本は借金の利子を払うことさえ大変になるだろう。これは、あってもおかしくないだろう・・・。」
このように、日本国債を取り巻く状況は、決して甘いものではないようです。
日本の某フィナンシャルグループでは、こうした状況に警戒感を持ち、ヘッジファンドの動きについて検討が行われたようです。
「政治的なところも十分注意していかないと、『日本固有の理由』で売り圧力がかかる可能性がある。」
「ヘッジファンドは、そうした政局の動きを先取りして、ゲームのプランとして売りを仕掛ける可能性もあるかもしれない。」
「将来、財政に対する信任が得られないと、日本の国債は売られるかもしれない。」
そういうわけで、国債を保有している方は不安でしょうが、国債を売ることを控えましょう。
日本の国債のリスクは、ちょっとした我々の動きから発生するのかもしれません。
話は、まだまだ続きます。
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