皇祖皇宗
最近、ようやく溜まったビデオを観る余裕が出来たので、そのひとつを観ていたら非常に気になった部分があったので、それについて記してみたいと思います。
それは、先月の末に放送された『たかじんのそこまで言って委員会』という番組の中で、女系天皇の是非について取り扱っていたときのことです。
その番組では、女系容認論者の モラロジー研究所教授の 所 功 氏と、絶対男系男子論者の憲法学者で明治天皇の玄孫でもある 竹田恒泰 氏との論争があり、その中で、皇祖皇宗の解釈の違いが露呈されました。
まず、論点を整理すると・・・
天皇家の存続の危機が叫ばれる中で、その対策として 所 功 氏は女性宮家の創設を唱え、竹田氏は旧宮家の復活を唱えています。
いずれの方法も、現在の皇室典範を変えなければできないことになっています。
その論争の中で、両者の間で本質論の違いが露呈したのです。
それが、皇祖皇宗についてです。
所 氏によれば、皇祖皇宗とは皇祖神ということで、それは唯一、天照大神という女神をさすというのですね。
それに対して竹田氏は、皇祖とは 神武天皇をさし、皇宗とは 歴代の天皇をさしているというのです。
つまり、大日本帝国憲法とか教育勅語で記されている 皇祖皇宗とは男系男子の天皇たちをさしているというのです。
これは、明らかに 所氏の説のほうが正しいのです。
その証拠に、伊勢神宮で祀られている皇祖皇宗は、天照大神です。
また、宮中三殿の中の賢所で祀られている皇祖皇宗も、天照大神です。
つまり、皇祖神として日本で信仰されている対象は天照大神なんですね。
その建国の遺徳を称えているのが、伊勢神宮であったり賢所なのです。
極端な言い方をすれば、天照大神以外は、八百万神です。
したがって、日本の皇祖神は 所氏の言うように 天照大神 一柱しかないのです。
そうした信仰の対象をきちんと区別しなければ、皇位継承を考えていく場合の基礎観念が大きく変わってしまいます。
皇祖を神武天皇とする考え方は、従来の日本の神道にはありませんでした。
宮中祭祀でも、皇祖神の祭祀と歴代天皇の祭祀とは厳格に分けられ、皇族によって祀られています。
皇祖皇宗を男系男子の系列とする説は、男系男子を表すためにつくられた比較的新しい考え方なんですね。
つまり、国家神道として作られた概念です。
最近の辞書には、皇祖皇宗をそのような男系男子の系列として説明しているものが多々ありますが、それは明らかに違います。
「祖」も「宗」も、両方とも‘はじめ’という意味があります。
小生の蔵書の中の一つ、諸橋徹次共著の広漢和辞典では、日本の皇祖とは天照大神であると明確にしています。
それが、いつの間にか「宗」に「歴代」という意味が付け加えられてしまったのですね。
しかし、天皇陛下が賢所で祈られているのは、皇祖皇宗である天照大神です。
その点は、間違いのないようにしておきたいものです。
したがって、明治天皇の玄孫といえども、竹田氏の考え方は、基本が間違っています。
今年は、古事記 1300年です。
秋の夜長に、この日本建国の様子を著した日本最古の歴史書を紐解いて、天照大神の遺徳を偲ぶのも良いではありませんか ?
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