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外伝・奇伝

どちらが正しいのか

国の歴史、会社の歴史、人物史には、「正伝」と呼ばれる公なものから、エピソードなどと呼ばれる外伝とか、「実は・・・、本当は・・・」という 正伝とは別な奇伝の類のものがあります。

外国でも、たとえばアメリカの月面着陸はウソだったとか、9.11の貿易センタービルは爆破して崩壊したものとか・・・

日本においても、ジャンボ機墜落の原因は与圧隔壁の破損ではなくて、米軍から発射された模擬ミサイルが尾翼に命中したとか・・・

日本歴史上、有名な都市伝説としては、例えば、聖徳太子はいなかったとか、源義経はジンギスハーンだったとか、徳川埋蔵金とか、明治天皇はすりかえられていたとか・・・

こうした逆説的な話題は、今もテレビ・雑誌のバラエティーコーナーを賑やかせていますね。

しかし、こうした怪情報を元に悪事を働く人もいるわけで、たとえは M資金詐欺などは、皇室を騙 (かた) る詐欺事件として今も騙される人があとをたちません。

しかし、だからといって、このような外伝・奇伝が総て間違いといえば、そうも言い切れないところに問題があるのですね。
つまり、過去の問題の正否を確実に立証できない事情があるかです。

しかも、多くの歴史的事実というのは、文章化されずに伝えられていないのがほとんどで、文とかモノとして残っていても、それが本物なのかニセモノなのか、その鑑定に及んでは、実は確実な基盤が確立しているわけではありません。
とりあえず、これが正しいものとして察すれば、おそらくこれも正しいであろう・・・というのが鑑定の世界の実情のようですね。
よくテレビの鑑定士が「間違いありません ! ! 」と断言していますが、それが正しいのかどうは、こちら側がそれを立証するものがないと言うだけで、ホントがどうかは分からないものです。
その鑑定士でさえも、実は騙されることがあると言うのですから、人事には絶対というものがないのは当然でしょう。

たとえば、皇室に伝われている日本書紀をはじめとする「六国史」も、実は、応仁の乱、戦国時代を通して、すべて焼失していて、現在残っているものは贋物・・・という奇書があります。
つまり、戦国時代を制した豊臣秀吉が、荒れた京都を回復しようとしたところ、朝廷や摂家に残っているはずの「正伝」が総て焼失していたことに愕然とした・・・という記述があるのです。

だいたいこうした奇述の類は、たとえば長寿の老人の話だとか、たいへん記憶力の良い人の話として前置きして伝えられていて、今となっては確かめようもないというものですね。

だからと言って、バッタ本だと切り捨てるわけにもいかない・・・

ところで、小生は地元の郷土史の研究グループに所属していてことがあり、戦時の徴用船について研究発表する機会がありました。

そのときに、神社・寺や民家の古書などを調べるのですが、一応に空白の部分があるのですね。
それを、どうやって埋めるのかが問題になるのです。
つまり、史実がつながらなくなる・・・という局面にどう対処してよいか分からないのですね。

そこで、たとえば贋物の石器を発掘して話題となった人のように、史料を捏造してつなげるとか、あるいは正直に、そのまま空白のまま発表するとか、自分の想像であると言うことを前提に伝えるとか、いろいろな方法があります。

そこで、空白の歴史を伝えても意味がないので、周囲の史料を参考に想像して埋めるという手法が一般的だと思います。

しかし、そうするとその想像がいつのまにか史実として扱われてしまうことがあるようです。

例えば、日本の吉田某氏が自分の体験を基に「従軍慰安婦」問題を著書にしました。
しかし、後日、その吉田某氏がウソであったと表明しても、韓国では史実として取り上げて、いまでは銅像まで立っています。
また、中国では南京事件の百人切りも、いまや中国の真実です。
いずれも出所は日本側ということで、ウソから出た真というのが、中韓の主張でありましょう。
日本側は、当然ウソだと信じています。
もちろん、小生も単なる想像だったと思いますよ。

逆な例もあります。
例えば、天皇家の歴史の中で、武烈天皇と言う乱暴なかたが居られたといいます。
彼は、妊婦から胎児を取り出させ、その様子を楽しそうに見ていた・・・などと伝えられています。
そこで、皇統譜では、武烈天皇の代は途切れて、遠縁にあたる継体天皇をお迎えしたことになっています。
ところが、実は、武烈天皇はそんな人ではなく、武烈天皇記を口伝している間に、武烈天皇と比較して伝えられていた朝鮮の王の行為が、武烈天皇の行為として伝えられてしまった・・・という内容の奇伝があるのですね。

どうやら、これも後世になって創作されたものと思われるのですが、しかし、どちらが正しいものなのか、今となっては立証の仕様がないのですね。
日本の「正伝」では、武烈はトンデモ天皇だったようですね。
その「正伝」が、前述のように、すでに焼失して、残っているのは贋物という説もあり、どれがホントか分からない・・・。
できれば、武烈天皇は良い天皇であって欲しいと言う感情があります。
それが、また、悩ましいところです。

ましてや、近世においては、印刷・謄写技術が普及されているせいか、多くの資料が残されているので、その正否を確かめやすくなっているとはいえ、やはり真実を立証することは困難で、信じるしかないのです。

直近な例としては、自分の子が本物であることは、母親は確証しているのに、父親は信じるしかないのですね。
しかも、たとえ母親が確証していても、病院側のミスで取り違えられてしまった・・・

そんなケースがある以上、家の系図、血統書というものが、本当に真実なのか そうでないのか、わかりませんね。

しかし、過去のことを勘ぐっては、今の生活、これからの生活に支障をきたしてしまいます。
それは、もう信じるしかないのですね。

だからと言って、それが絶対に正しいなんて言い切ってしまうと、それも変な話になってしまいます。

今も昔も、皇位継承が話題になっていますが、それは世界的な現象ですね。
自分の勢力の正当性のために、皇位とか王位継承問題を持ち出すのが、世界の歴史です。
あるいは、宗教の教祖とその系列の正当性が問題になり戦争になったりします。

ただ、科学がこれだけ進歩すると、太古のことでも実証できる場合があると言います。
たとえば、DNA検査です。
数千年前のミイラから DMAを抽出できたと言う話題もありましたね。
最近、日本でも、神武天皇の本物の稜と思われるものが再発見され、そのなかから神武天皇の DNA が取り出せるかも・・・なんて話もありました。
しかし、実際にそれが可能であっても、世論がそんなことをするなんて許さないでしょう。
( 現在、宮内庁が管理している神武天皇稜は、幕末に当時の皇国史観と整合させるために作られたものであることは明らかになったようです。)

こうした検査をしてしまったために、今まで実の父だと信じていたのがそうでなくなって愕然とした・・・という話題があり、テレビドラマ化されました。

そうしたことがあると、はたして科学の目で歴史を立証することが、本当に良いことなのか、小生には分からないところです。

現在は、内部告発、暴露の時代と言うことで、真実を語ることが流行していますが、はたしてそれが良いことなのか。

確かに、日本の年金問題も内部告発から暴露された面があります。
しかし、それによって、年金に加入する人が減って、実際に年金制度は崩壊しています。
それで、現在は税金の一部をあてて ようやく制度を維持している始末ですね。

また、昨日の夕刊を見ると、ギリシャの元首相は、財政の粉飾を暴露したため、世界経済を混乱に陥れてしまったわけですが、それについては後悔していないと伝えられました。

はたして、日本の財政には粉飾があるのか ?
それがあったとしても、それを暴露しないで、日本をこのまま維持するのか・・・
そんな妄想もしてしまいます。

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コメント

最近 何が何だか分からなくなりました。

悪徳不動産屋に対して訴訟を起こしている身ですが
正義が勝つ のではなく
時の法律をいかに知って使えるか だけなのです。
場合によっては明らかに悪でも勝つ。

政府、国、となったらもっとなのでしょう。

ただ、、、、
間違いなく 世界中で何かが
崩壊していく方向に進んでいる事は
うっすら分かる気がします。

投稿: sue | 2012年10月11日 (木) 17時55分

sue さま、コメントをありがとうございます。
悪徳不動産屋に悪徳弁護士・・・
もう、最強のタッグルですね。
それに向かわれている sue さまのご苦難を拝察します。
正義が勝つとは限らないのがこの世の中みたいですね。
sue さまのブログを拝察すると、おそらく不動産投資詐欺みたいなものに引っかかったと思われます。
彼らは、財産を隠すのが得意ですから、結局、支払能力がないことを理由に逃げ切るのでしょうね。
「相棒」のような杉下警部補みたいな知恵のある人に捜査してもらうとか、「水戸黄門」のように庶民の味方の権力者が現れないか・・・
現実と夢とは大違いですね。
それにしても、sue さまの裁判が良い方向に行くように祈るばかりです。

投稿: あらま | 2012年10月11日 (木) 19時22分

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