男系男子の嘘 - 2
マッカーサーが仕掛けた時限爆弾
宮内庁の羽毛田長官が、男性皇族が少ない皇室の「窮状」を首相に訴えた ? ・・・という報道対して、波紋が広がっていますね。
この皇位後継問題は今に始まったことではないのですが、ここにきて再燃した感じです。
現行の皇室典範では、皇位継承の資格者は「男系男子」のみ。
さらに、マッカーサーは、昭和天皇の兄弟である直営、すなわち秩父宮、高松宮、三笠宮だけを残し、十一宮家五十一方の皇籍を離脱させたのでした。
その結果、皇位継承者が大幅に削減されたのですね。
さらにマッカーサーは、側室制度を廃止し、庶子(非嫡出子)に皇位継承資格を認めないようにしたのです。
これは、昭和天皇の意向でもあったわけですが、それによって男系男子の継承がいよいよ困難になったのです。
実際に近代でも、明治天皇も、大正天皇も庶子(非嫡出子)であったといわれています。
そして、黒田清子さんのように、女性皇族は結婚すると皇籍を離脱することになっています。
そういうわけで、このままでは皇統が途切れてしまい、国家の根幹が消失してしまうのですね。
マッカーサーは、そういった時限爆弾を仕掛けて日本を去ったのでした。
そこで、その打開策として、皇室典範を改正して男系男子を取りやめるとか、傍系の復活とかいろいろと論議されています。
ところが、日本には「男系男子」という信仰があって、天皇は何が何でも男系男子でなければならないと信じている人が多いようです。
しかし、この「男系男子」という相続制度は、遺伝学的にも生物学的にも実際には不可能であることは証明されています。
さらに、歴史学者においても、皇統譜の記載の信憑性は問題にされていません。
つまり、皇統譜というものは、時の権力者によって幾度も書き換えられ、創作されてきたものであることは「常識」です。
その証拠に、たとえば数ある皇統譜といわれるもののなかには、本朝皇胤紹運録(ほんちょうこういんじょううんろく)というものがあります。
しかし、そのなかには怪しい部分があるので、時の明治政府は、元老院に『纂輯御系図』(明治10年 初版)を編纂させたわけです。
これは、この系図を基礎にして諸本を校合して、より信憑性のあるものにしようとしたのです。
また、江戸時代の国学者たちも、皇統譜については苦心した様子がうかがえます。
「南朝・北朝」問題、朝鮮問題などさまざまな問題に対処するたに、書き換えたり創作したり・・・。
そういうわけで、歴史学者や皇室研究者らのなかでは、学問的に皇統譜の信憑性を信じている人は少ないと思います。
つまり、生物学的にも歴史学的にも、「男系男子」の継承が無理であることは「常識」でしょう。
男系男子は科学的・学問的ではないのです。
しかし、日本国民である限り「男系男子」を「ウソ」だなんて言えませんよね。
それは、大和民族である自分自身の存在を否定することになるからです。
拙宅にも過去帳があり、家系図があります。
これはおそらく「系図屋」が創作したものでしょう。
インターネットでも家系図ソフトをダウンロードできる時代です。
そうした怪しい庶民の家系図と、皇統譜とが同列とは言いませんが、すべての大和民族は平家や源氏を経て皇室に繋がっているということになっていますから、あちら様の理屈でいえば、大和民族の男子全員に、神武天皇の y染色体を継承しているということになります。
したがって、たとえ女性の皇族であっても、大和民族の男子と結婚すれば、神武天皇のy染色体は継承されることになるのですね。
もう、こうなると理論の破綻というよりも、論外、滅茶苦茶です。
さすがに、今期に及んで皇統を y染色体で論ずる人はいなくなりました。
そういうわけで、「男系男子」に拘る理由なんてないと思います。
もっとも、皇祖皇宗が天照大神という女神様ですから、それからして男性に拘る理由なんて最初からないと思います。
いずれにしても、こうした『家の継承問題』に、他人が首を突っ込むことは良くないと思います。
皇族会議など皇室が独自に決めるもので、国会や国民はそれを追認するに留めるべきでしょう。
つまり、どんな結論になっても、国民はそれを認めるべきでしょう。
小生だって、自分の家のことを他人に決められてしまうなんて嫌ですからね。
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コメント
私も
男子系男子に拘る必要はない
と思っています。
正直のところ・・・現状・・・
皇太子殿下ご一家
妃殿下 お嬢様 の健康といいますか
精神状態は 国民として不安があります。
こう何年も
国事にお出になられない程ではちょっと。
よそ様のお宅の事ではありますが
天皇家は 一般ではなくて
海外皇族方との関係もあり。
ブータンご夫妻をご夫妻でお出迎えしなかった
皇太子ご夫妻の今の状態は
日本の不安定さを海外に印象付けただけ
でしたし。。。
投稿: sue | 2011年11月27日 (日) 13時32分
sue さま、ありがとうございます。
日本には、「男系男子」の信奉者がいて、自分の跡には長男に、その孫は絶対男の子・・・と信じ込んでいる人がいます。
それが、配偶者である女性に対して過度の負担になっていると思います。
明治時代に皇室典範がつくられ、「男系男子」が明文化されました。
しかし、なかなか皇后様に男の子が生まれず、結局、明治天皇にしても大正天皇にしても側室の子供です。
そして、最近になって、ようやく皇統譜にその側室のことが訂正されたそうですよ。
どんな具合に訂正されたのか知りませんが、「男系男子」を続けるなんて、最初から無理な話です。
実際には、日本は双系で、だからこそ、皇統や傍系が連綿と続くことができたのでした。
しかし、どういうわけか、家長制度が幅を利かせています。
そうした強烈な負担が皇太子妃 雅子様を襲い続けているということで、これは大変なことだと思います。
「男系男子」だなんて規定を外せば、皇室もノビノビと子孫づくりに励めたと思います。
そうは言っても、「男系男子」派の意見は強硬で、それを基にした雅子様バッシングは目に余ると思います。
それにしても、どこの歴史でも、男子を産めなかった妃の運命は悲惨ですね。
それが人類の特徴なんでしょうか。
家を継がせるのは男の子・・・
こうした観念は世界共通みたいですね。
もう、そういったことは止めにしたいですね。
投稿: あらま | 2011年11月27日 (日) 14時09分