« 拝金主義 - 10 | トップページ | 拝金主義 - 12 »

拝金主義 - 11

どんぶり勘定 - 2

以前、石原都知事が、都に複式簿記を導入した事が報道されました。
この件については、小生は都知事が指摘する以前から、公会計が複式簿記ではないことを不思議に思い、このブログでも指摘しました。

以前の地方の役場では、例えば市長の次席は「副市長」ではなく、「助役」とか「収入役」という肩書きがありました。
つまり、助役は税金を使う仕事、収入役は税金を集める仕事として設けられたものでした。
そうした意味では、役場組織の会計というのは、収支で計算する単式簿記なんですね。
しかし、現代の役場の仕事は、農民から年貢を取り立てる仕事なんてありませんし、有形的な公共事業のほかにさまざまな無形な仕事をしていますから、収支判断だけでは納まらないわけです。
ですから、石原知事が複式簿記で計算させたという報道に接した時、当たり前のことを実践したまでだと、小生は思ったものです。
ところが、寡聞にして、その後、国や他の地方でも、こうした複式簿記を導入したような報道に接していません。

複式簿記とは、前回に記した右ポケット左ポケットのような収支から残高を計算する単純な方法ではなく、「貸方」(右)と「借方」(左)とに分けて、両項を一致させる会計方式ですね。
そうすれば、実在勘定だけではなく、名目勘定も併せて勘定できますから、組織の会計には適した方法です。
そうして、負債の科目がありますから、どれだけの負債・借金があるのかが明確に分るはずですね。

ところが、問題は、複式でも単式でも、二重帳簿をつけたりして、粉飾することが出来ます。ましてや、会計ソフトを使って計算するのですから、粉飾も巧妙になります。
そうして、埋蔵金であったり裏金をプールしたり、資産を隠したりするのですが、どうしても現実と合わなくなってくる訳ですね。
それは外からでは分りにくいものですが、最近の内部告発ブームで、組織の‘陰謀’がマスコミを賑わしています。

いずれにしても、複式簿記で計算するに当たっても、基本は単式簿記です。
つまり、会計の基本である「入(い)るを量りて出(い)づるを制す」の方法に徹すれば、経済が破綻することを防げるはずです。
そうしたことを役所ではやっていないということは問題ですよね。

専門家の方からみれば、そう単純なものではない・・・と言われるかも知れません。
価値を評価し直せば、あらたな価値が見つかることがある・・・
つまり、今あるモノに、価値を見出せば、勘定が変わってくる・・・なんて言うかも知れません。
不良債権も、優良債権とミックスしてロンダリングすれば、あらたな価値として甦る・・・。
そう言われるかもしれません。
しかし、物理学に錬金術なんてないと同様に、経済学にもそのような錬金術なんてないはずです。
結局、錬金術の末路は、リーマン・ショックのようになってしまうのですね。
やはり、何でもそうですが、基本から逸脱した理論は破綻に向うのではないでしょうか ?

|

« 拝金主義 - 10 | トップページ | 拝金主義 - 12 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/131161/52979287

この記事へのトラックバック一覧です: 拝金主義 - 11:

« 拝金主義 - 10 | トップページ | 拝金主義 - 12 »