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逸民を捜せ !

人材は必ずいるはず ! !

重大な放射能漏れ事故を起こしている福島第一原発。
どうやら、 1号機だけでなく、2、3号機もメルトダウンしているらしいという情報が流れています。
小生の拙い知識では、いったん原子炉がメルトダウンしたら最期、手の施しようがないと承知しています。
それが、複数の原子炉で起きているということは、もはや、日本は終わりか・・・と思ってしまいます。
今、その原子炉内で‘生産’されている膨大な死の灰が環境に撒き散らされることにでもなったら・・・なんて、最悪のことが頭をよぎります。

どうしたらよいのでしょうか ?

そうした惨状を目にした東電の社員とか専門家のなかには、「もうダメだ・・・」と言って日本から離れて隠れてしまった人もいるとか・・・

そうした人のことを、隠遁者・世捨て人・・・なんて言いますね。
つまり、厭世的になった人です。
英語で言えば retired person とか recluse・・・とでも言うのでしょうか。
もう、自分の能力では手に負えない・・・と逃げた人のことですね。
(おっと、retired person は、隠居とか定年退職者という意味でもありますね。
そういった人たちは、いままで精一杯働いてきて、これから第二の人生を楽しもうという人でしょう。)

しかし、その隠遁者と呼ばれる人のなかにも、問題を解決する能力のあるのに隠れている人がいます。
それを「逸民」というようですね。

たとえば、インターネットで「逸民」と検索すると、、『後漢書の逸民列伝』とか『魏書の逸士伝』がヒットします。
そのまえに、『三国志』の曹操もヒットしたので、まず、そちらから記してみます。
『三国志』の曹操は儒学的な道徳から逸脱した大胆不敵で豪快なイメージがあります。
しかし、そんな彼も 晩年には後継者争いに負け 隠遁したので、「逸民」と呼ばれる所以なんでしょう。
この場合の「逸民」とは、活躍した人が晩年には元気がなくなった人を言うようです。Photo

また一方、太公望 (右図) のように、誰かが登用してくれるまで釣り糸を垂れていた人もいました。
自分から積極的に仕官するのではなくて、誰かが頼んでくるまで待つ・・・。
結局、彼は老人になるまで待ち、周の文王に見出され、武王を補佐して活躍しました。
それまで隠遁生活をしていた彼も、ある意味「逸民」の一人でしょう。
前出の曹操とは逆のパターンです。
まるで日本の軍神、東郷平八郎 みたいですね。

しかし、「逸民」の本当の意味は、いままでの説明とは違うようです。
後漢書の逸民列伝』などでは、逸民とは中国の隠者、つまり自己の節義や志を全うするため、名利を捨て官職を離れて野に隠棲する人々で、隠逸、高逸、高士などとも呼ばれる人。たとえば伯夷叔斉、竹林の七賢、陶淵明などが代表者・・・などと出てきます。
( これを説明すると長くなりますが、少しお付き合いください。)

そこで、孔子の『論語』(微子第十八の八)をみると・・・

逸民(いつみん)は、伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)、虞仲(ぐちゅう)、夷逸(いいつ)、朱張(しゅちょう)、柳下恵(りゅうかけい)、少連(しょうれん)。子曰わく、其の志しを降(くだ)さず、其の身を辱(はずか) しめざるは、伯夷・叔斉か。柳下惠、少連を謂(い)わく。志しを降し身を辱(はずか)しむ、言、倫(りん)に中(あた)り、行、慮(のり)に中る、其れ斯れのみ。虞仲、夷逸を謂わく。隠居して放言し、身、清に中り、廃、権に中る。我則(すなわ)ち是れに異なり、可も無く不可も無し。

これを現代語訳すると・・・

七人の高名な隠者が居た。伯夷叔斉、虞仲、夷逸、朱張、柳下恵、少連である。
孔子が仰った、
伯夷叔斉は志を捨てずに、潔癖さを守った。柳下惠と少連は志を曲げて、その身を汚したが、言葉は道理に適い、行動は思慮深かった。その点は良いと言える。虞仲と夷逸は隠棲して言いたい放題言ったが、潔癖さを守り、隠棲するにも上手であった。私は彼らとは違う。仕えるのも仕えないのも、自らの道に適うか否かだ。」と。
・・・と出ています。

つまり、周の時代、武王は兵力で前代の皇室を滅ぼしてしまったので、伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)は、周の米を食べることを恥じて、ついに飢えて死んだ・・・ということで、孔子は、国に道徳がないときに仕官することは恥だ・・・と説いているのですね。
つまり、自分の才能を悪用される恐れがあるから仕官から逃れるために「逸民」に甘んじたという考え方でしょう。
( でも、それが、孔子が説くところの真の道徳なんでしょうか ? )

そうしてみると、今の日本は、未曾有の国難というのに、政界 も 財界 も勝手なことをしています。
そんな日本から逃れて「逸民」となるのも一つの生きるための方法かもしれません。

しかし、小生は、いまここで 隠遁したり引きこもる逸民」のことを言っているのではないのですね。
今までの人類の歴史を見ると、国難に襲われると 必ず表舞台から離れていた人が現れて救世主となって活躍しているのです。

(逆に、そんな人が現れない国は滅んでいるのですね。)

そんな具合に、もしかしたらこの日本の中に、強力なリーダーシップが取れる人とか、メルトダウンした原子炉を封鎖する知恵を持った人がいるかもしれません。
そんな人が 太公望のように登用を待っているかもしれませんよ。
小生は、そんな人が日本には必ずいると思います。いて欲しいと思います。

今、日本では リーダーシップがとれない首相を、降ろそうという動きがあります。
しかし、次の手がないのに、彼を降ろしてどうするのでしょうか。
それよれも、「逸民」「逸材」を捜すのが先決ではないでしょうか ?

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