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課長通知 -4 (最終回)

公務員の裁量

さて、昨日の東北地方を中心にした巨大地震。
甚大な被害があったことがマスコミで伝えられています。
いまだに、強い余震、津波が続いているそうです。
被害に遭われた方には、お見舞いを申し上げ、早急な回復をお祈り申し上げます。

官房長官によれば、日本国をあげて救助にあたると宣言していました。
国民には、助け合いの精神を発揮して、冷静沈着に対応をするように促していました。

さて、課長通知については、今回で最終回にしたいと思います。

一連の課長通知違憲であるのか・・・
これについて、小生は、自衛隊が違憲であるかどうかと同じぐらいの問題だと思います。
憲法の条文と照らし合わせたら、公務員が勝手に法令を作ったり、あるいは現行法律を捻じ曲げて施行することは違憲でありましょう。

しかし、それでは憲法をはじめ、法令が完璧なものかと問えば、そうではないですよね。
どうしても現実の実生活との矛盾が生じてしまうものだと思います。Photo

たとえば、日本のシンドラーと呼ばれた 杉原 千畝 (ちうね - 写真)。
ソ連専門の外交官であった彼は、1940年、約 6,000人のユダヤ人にビザを発給してその命を助けました。
当時の外務省の訓令では、無条件のビザの発給は禁じられていたそうです。
その禁を破ったことで、杉原は多くの人の命を救ったのですね。
しかし、戦後、杉原はその責任を取る形で外務省を追われることになりました。

このように、現場に接する公務員は、決まり と 現実 との狭間に悩まされることが多いようです。
杉原のように良心をもとに行動すると、自分に不幸が降りてくることは容易に予想もできます。

やはり、悪法でもその法に従うことが、国家の秩序と安全を守る事になると思います。
そこで、官僚たちは、そうした法令による矛盾を解消させるために、法律に 二面性を持たせたり、拡大解釈の余地を持たせるように工夫をするのですね。
そうして、現場の担当者に裁量権を持たせる根拠を作るわけです。
そうすることによって、法律の円滑な運用を図るとともに、公務員の保身を実現させるのですね。

それが慣例となり、施行や執行の現場で、自分の意思で命令が下せるような環境を作ったようです。

ただ、こうした裁量権の存在は、公務員の汚職にもつながるもので、そこに公務員の倫理が問われるわけです。

現実的には、官僚が高位になるほど、正反対の判定を下せる‘隠し玉’を持つことが出来るようです。
それが、権力となったり、贈賄にもなってゆくのでしょうか。

しかし、だからと言って、担当官から裁量権を奪ってしまうと、杓子定規なものとなってしまい、現実的に法令の運用が出来ない事態が生じます。

このように、法令の施行には、人間のパラドックス、あるいはジレンマが生じているのですね。

今回の厚労省の課長通知は、そうした問題を改めて露呈したものとして、小生は注目しています。

しかし、そのことについて、マスコミも国会議員も深く追求する姿勢は示していませんね。
これは、組織の宿命でもある問題なので、敢えて突付こうとはしないようです。

そうして、今回の日本を襲った巨大地震・・・。
恐らく、法令だけでは解決できない問題が起きていると思います。
そういう場合こそ、公務員の裁量権を良い具合に利用してもらいたいものです。

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