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問答法

恣意的な質問Photo

先日、ハーバート大のサンデル教授の「授業」の様子をテレビで観ました。

彼の人気の秘密は、その授業スタイル。
一方的に講義をするのではなくて、聴講生に質問するスタイルですね。
これは、古代ギリシアのソクラテスの「問答法を模したもので、哲学などの授業には有効的な方法として、今まで何人もの人が挑戦して失敗した方法です。

問答法の元祖と呼ばれる ソクラテスでさえもその方法でソフィストたちを負かせてしまい、その恨みをかったソクラテスは裁判にかけられて死刑に処せられたと伝えられています。

つまり、相手を問いただすことによって、相手の考えの矛盾を指摘し暴露するのですから、自分の矛盾を暴露された人は、嫌な思いをすることになります。

ソクラテスは こうした問答法を重ねていくうちに、「無知の知」と言って、自分が無知であることを自分は知っている・・・なんて、言ったようです。
これは、人間の知識の限界を説いたものだと思うのですが、どうやら、自分は自分が無知であることを知っているだけ、あなたよりも優れている・・・と解釈されてしまったようですね。

こうして、ソクラテスは敵をたくさん作ってしまったようですね。Photo_2

そういうわけで、この「問答法」は、うまくやっていれば良いのですが、誤解されやすい方法でもあり、質問の内容によっては相手の琴線に触れることもあり、非常に危険なやり方でもあるようです。

最近も、サンデル教授を真似してマネジメントの講義をするセンセイが出ていますが、失敗しているようです。
どうしても、質問が恣意的になってしまい、「その誘導には引っかからないぞ・・・」という心理が働いてしまうようですね。

つまり、純粋に自分が知らないから相手に訊くのではなくて、誘導尋問で相手をコントロールしようとする方法だと思われてしまうようです。

ですから、学生や青年たちにはこの「問答法」は有効かもしれませんが、社会人に対しては質問を頻発する方法には、限界を感じます。
社会人をコントロールするには、青年をコントロールするのとは訳が違うと思います。

つまり、だんだんと、質問の内容が現実的でなくなり、仮定のことを論じても仕方がないだろう・・・と思ってしまうような傾向があると思います。

ですから、問答法を成功させる秘訣は、質問が現実的であることと、質問者が ニュートラルを貫くことだと言われています。
そういうことで、小生にはこの問答法はムリです。

それに、ニュートラルも過ぎれば、ズルイ・・・と思われてしまいそうです。

ところで、ソクラテスは今でも「聖人」として尊敬されています。
それは『ソクラテスの弁明』でも記されているように、「知」と「徳」とは一体で、自分は「知」も「徳」も足りない・・・ということ素直に認め、訴えていたと思われます。
ところが、ソクラテスは損な性分で、彼の真意を誤解されたまま法廷に立たされ、その悪法に従って処刑されたようです。
後世に至って、彼の真意が理解されると、その深遠な哲学に感動する人が絶えないのですね。
彼の『弁明』は弁解ではなくて、非常に真摯で、正義を貫いたことが評価されていると思います。

それにしても、純粋な人ほど敵を作りやすいのでしょうか ?

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