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写真のような記憶 - 2

金の卵

さて、前回は、一瞬 目にしたものを、まるで写真のように記憶が出来る人がいることを記しました。

それとは別に、目の前の様子が写真のように見える人がいました。
それは、往年の名手、川上哲治氏です。
彼は、投手の投げたボールが止まって見えた・・・というのですから、相手のピッチャーは適いませんよね。
恐らく、イチロー選手も、そんなふうに見えているのかも知れません。

実は、小生も、写真のように判断・記憶ができるものがあります。
それは「金属の肌」。
切削した金属の表面を 一瞥 (いちべつ) しただけで、材質、硬度、粗度、寸法などが分ります。
(小生の同僚も、分るみたいですよ。逆に、それが分らなくては仕事になりませんものね。)

毎日、毎日、鉄とニラメッコをしているうちに、身に付いてしまいました。

しかし、ISO では、それは許されません。Photo
人間の 目見当 を認めないのが ISO です。
キチンと測定したものが、 ISO計測値なんですね。

でも、金属の情報なんて、ほとんどが計測できないものばかり・・・。

例えば、加工による 反り具合硬化 などを 瞬時に予想しながら、職人たちは金属を加工するものです。

それは、計算して得られるものではなく、長年の 経験 と カン によります。

こうした金属加工だけでなく、木工も、塗装も、すべての分野において、目利きの効く職人さんがいると思います。

つまり、最終的には、「人」という ローテク を経て 製品が 世に出されていると思います。

日本品質は、今でも 人の 経験 と カン とで支えられている部分か多いのですね。

韓国でも中国でも、そうした 日本品質、日本人の技術 が欲しくてたまらないようです。

(北朝鮮は、日本人を拉致してまでして 日本技術を獲得し、今や 「CNC」と叫んでいす。拉致被害者の中には、CNC を操作できる日本人が沢山いたからです。)

そういうわけで、アジア、欧州の どの国の大学でも、実技を習得するコースがあるようですね。

しかし、何度も書きますが、加工技術の体得は、大学生になってからでは遅いのです。

これは、ドイツ人やスイス人の技師たちも 認めているところです。

語学でも技術でも、それに適した習得年齢があるのですね。

イチロー選手が野球の技術を身に付けたのは、大学を卒業してからではないのを見ても分ると思います。

つい最近まで、日本には沢山の職人さんが活躍した時代がありました。

日本に職人さんが沢山いたのは、田舎の中学を卒業して、集団就職ということで都会に出てきた人たちがいた時代があったからだと思います。

そうした人たちは、「金の卵」としてもてはやされましたが、現実は、職人の徒弟関係に耐えながら、大苦労して職を身に付けたものでした。

そうして、日本が技術立国として世界に名を轟かせることが出来たのだと思います。

つまり、高度な技術開発に対応した‘手’が、国内にあったのでした。

もし、日本が今後も 技術立国として存続を希望するのなら、あらたな「金の卵」を創出する制度が必要になると思います。

( 貧困層をつくって、それにやらせればよい・・・だなんて、考えてはいけませんよ。)

拙宅の長男は 工業高校に行きましたが、今の工業高校では、せっかくの金の卵を腐らせてしまっていると思うのです。

職人を作るには、職人に直接触れることができる場を作らなければならないと思います。

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科学技術」カテゴリの記事

コメント

言われるとおりですね。
経験 カン ノウハウ 大切ですね。

投稿: taka | 2010年10月28日 (木) 10時25分

taka さま、ありがとうございます。
中国の大学でも「金型学科」なるものを作って、若者の技術の習得に努めているようですね。
金型がガクモンになるなくて、不思議に思います。

投稿: あらま | 2010年10月28日 (木) 18時22分

 職業選択の自由(笑)がある故、高校まで無償化して全員高校に!今度は奨学金まで給付にして大学まで無償化に!

 いや別に良いんですけどね。本人にやる気があれば。

投稿: ある大学生 | 2010年11月 1日 (月) 02時55分

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