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父の遺品

企業戦士

拙宅と弊社との距離は、徒歩で行けるほどで、その間に、我が家の墓地があります。
そういうわけで、小生は、毎日のように墓参りをするのが日課となっています。
その墓には、今のところ父しか入っていません。その父は、生きていれば 83歳のはずでした。
15年前に他界したのですが、最近、なんとなく父を思い出す機会が多くなったような気がします。

父は、中学生の時に祖父との折り合いがつかず、遠い親戚を頼って独りでこの地にやって来ました。
その親戚が経営する鉄工所に入職し、夜間学校に通って、ようやく高校を卒業したようです。

そして、設計士として図面を引いていたところ、日本に紹介されたばかりの『品質管理』に出会い、これを ライフワーク と決めたようです。

この新たな『品質管理』というものを会社に取り入れることに、父は大変な抵抗に遭ったそうですが、なんとか社内に定着させました。

その後も、休日には『品質管理』の講師として、全国を飛び回ってその活動を広めたようです。

そのために、テキストを執筆したわけですが、その内容がそのまま他の大学教授の名前で出版されて、父はショックを受けたこともあったようです。
そこで、学歴のない父は、在籍中に幾度も大学受験を試みましたが、最後まで失敗に終りました。

こうしたことは、父が亡くなってから知りました。
小生にとって、父は家庭にはいない人でした。ですから、父のことでありながら、父については何も知りませんでした。
当時は、そんな 企業戦士 が当たり前の時代でしたからね。
会社に‘徴兵’されたまま 消息 知らずでした。

父が亡くなると、その遺品の処理をしたわけですが、几帳面な父は、見事なほどキチンと資料が整理されていました。
当時、出たばかりの ワープロ を駆使して、それをフロッピーディスクに収納していました。

残念ながら、その資料は、今となっては古すぎて使い物になりませんが、『品質管理』を自分に徹底させていたことは立派だと思います。

ただ、その『品質管理』を家庭にも取り入れようとして、母の強い抵抗に遭い、結局、それは実現しませんでした。
それどころか、それ以来、母は家事の放棄をしたままです。
父も徹底的な人でしたが、母も徹底的に抗戦する人でした。
どうも、その時には、既に母は ADHD を呈していたようです。

定年退職した父は、母の後を追って、母が散らかしたものを片付けていました。
しかし、母の散らかしようには追いつかず、父は脳梗塞になりました。
ところが、母は、その父の看病や介護を放棄しました。

結局、父は、2年半ほど休んで亡くなりました。
その様子を見ていた父の主治医が、母の異常に気付き、これは母の性格ではなくて、病気であることが判明したわけです。
その後、父に代わって、今度は家内が母の散らかしたものを片付けていました。

母の散らかしてたモノは、‘物’だけではなくて、‘事’にも及びます。
つまり、自分の妄想を事実のように言う‘虚言癖’があり、電話を使ってその虚言を広めるのですから、その収拾に苦労させられるわけです。

たとえば、小生の長男、すなわち母の孫が、担任に虐められていると思い込み、母は校長に訴えるようなことをしました。

結局、立場が悪くなった長男は、転校を余儀なくされました。

こうして、3人の子供を抱えながら、家内は、ADHD の母の相手をし、それが大変なストレスを生むことになった訳です。

母の病気は複合的になり、遂に、前後不覚に陥ってしまいました。

その後、こうした病気の人がたくさんいることを知り、その家族が苦労している実態も知ることになりました。

そういうわけで、父は、亡くなることで自分の病気だけでなく、母の病気からも解放されたのですが、父の残した最大の遺物に、小生ら家族は翻弄されたままです。

実は、小生の 3人の子供たち全員、片付けが出来ません。

そこで、もしかしたら母の病気が隔世遺伝したのではないかと案じましたが、どうやらそうではなさそうで、安心しました。

とにかく、どんな気持ちで母と接してよいのか・・・試行錯誤の毎日です。

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コメント

あらま様
重すぎてコメントできませんが、毎日見てます
それだけ申し上げておきます

投稿: 佐為 | 2010年2月 3日 (水) 05時38分

佐為さま、ありがさうございます。
ちょいと、家族のことで愚痴ってしまいましたが、「品質管理」についての所感を連載したいと思います。

投稿: あらま | 2010年2月 3日 (水) 21時06分

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