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搭乗率補償問題

守れない約束はしない

民主党の掲げた公約が守れないことが、当地でも話題となっています。

暫定税率の問題ではないですよ。静岡県知事の公約のことです。

今年の夏、民主党が推した 川勝氏が静岡県知事に当選しました。その彼の公約が「搭乗率補償の撤廃」でした。Photo

ご存知のように、今年の6月に、全国で 97番目の空港が静岡県で開港しました。
その開港に先立ち、石川 前静岡県知事は、内外の航空会社を回り、静岡空港を利用するように トップセールスを展開しました。
その甲斐があって、現在、静岡空港では数本のアジア路線と国内路線を確保したわけです。
( 来年 3月に開港予定の茨城空港は、今のところ 韓国のアシアナ航空、たった 1本だけなんだそうですね。)
不況の中、航空各社は地方空港の乗り入れに難色を示したわけですが、石川前知事は、日本航空との契約時に「搭乗率補償」を持ち出して、契約にこぎつけた経緯があります。

この「搭乗率補償」とは、静岡 ⇔ 福岡 便で、搭乗率が 70% に達しない場合は、その不足分を 県が補償するというものです。

具体的にいいますと、静岡県は、年間の目標搭乗率 ( 70% ) を下回った場合、空席一席あたり 1万 5800円の運行支援金を支払う約束を、日航と交わしたわけです。
県の試算によれば、目標を 1% 下回るごとに、約 2900万円を日航に支払うことになるようです。
(今年の 2月の時点では、1% 下回るごとに 約 3800万円と、言っていたのに・・・)
今のところ、対象路線である 静岡 ⇔ 福岡 便の搭乗率は、6 ~ 11月で 65%に とどまっています。

そこで、日本航空だけ搭乗率補償を設けることはおかしい・・・として、全日空側が異見を述べたことがありました。
川勝知事も、こうした偏った補償制度はおかしいとして、知事選の時に 第一公約としてこの「搭乗率補償の撤廃」を掲げて当選しました。

ところが、既に報じられていましたように、静岡空港が開港する頃には、日航の経営難が表面化し、政府に救済を求める事態となっていたのです。
当然、日航は静岡空港からも撤退することは誰の目から見ても明らかでした。
そして、昨日、日航は川勝知事に、来年 3月末に静岡空港から完全撤退することを通告したのです。

ところが川勝知事は、こうした日航の撤退は、県と交わした覚書に反するとして、来年に支払う予定の搭乗率補償金の支払いを拒否することを、日航の西松社長に伝えたようです。

川勝知事の日航に対する要求は、静岡空港から撤退するな、さらに搭乗率補償制度は撤廃する・・・という内容ですから、経営危機に陥っている日航に対しては、最初からムリなものでありました。

しかし、選挙で掲げた第一公約ですから、それを破るわけにも行かない知事は、日航は民法上の信義則違反として、日航が撤退するなら、約束した搭乗率補償金も支払わないと口頭で通告したと伝えられています。

これは、日航側が言うように、明らかに川勝知事の誤認でしょう。むしろ、川勝知事の方こそ信義則違反です。商業道徳のモラルの欠如と指摘されても仕方がないと思いますよ。

ブチ切れは、小沢幹事長一人で十分です。

日航の撤退は仕方がないことです。
逆に、地方路線を確保するために、国交省では搭乗率補償制度の導入を検討しているぐらいです。趨勢は、知事の公約とは逆の方向に流れているのです。

今、民主党でも「公約の破棄が民意である」なんていうことを言い始めています。

それに対して、民主党に投票した人は、驚いていますね。
そんな中、公約を守ろうとする川勝知事の気持ちは分らなくもないのですが、県民の意識としては、日航が踏みとどまったとしても、さらに赤字は雪達磨式に増えることは明らかですから、県が空港経営から手を引くことを望んでいます。

県民が投票したのは 川勝さんではなくて、民主党に投票したのです。もし、民主党が海野さんを推薦していたら、知事は海野さんでした。

その民主党は、空港建設前から空港反対でした。空港が出来てからも、その存続には反対でした。その民主党に県民の多くが投票したのです。

静岡県民は、搭乗率なんて問題にしていないのです。それよりも、空港維持によって財政が破綻しては 元も子もありません。

いずれにしても、搭乗率の問題は、日航が撤退することによって自然に解決するのですから、川勝知事は、もっと冷静になるべきでしょう。
静岡県の県民性は、もっと穏やかなものです。

【追加】

日航の撤退宣言を受けて、静岡空港に拠点を持つ 地方民間航空会社 富士ドリーム・エアラインズ社 ( FDA ) は、日航の福岡線を「空白のないよう」引き継ぐ方針であることが伝えられています。

ですから、日航に路線の存続を求めなくてもよい状況だと思います。

日航は、経営再建のために、不採算路線の廃止を掲げています。

それに対して、川勝静岡県知事は、静岡 ⇔ 福岡 線 は、需要があるとして、日航の方針に矛盾があると指摘しています。

でも、実際は、開港から 今月の 16日までの通算搭乗率は、静岡 ⇔ 福岡 線 は、64.5 % 。静岡 ⇔ 札幌 線 は、82.8 % といいます。

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コメント

いったいどうすればいいのでしょうか?
あちら立てればこちらが立たず

民主党は政権を取ったら言うだけじゃ済まないという認識がなかったのでしょう
困りました

投稿: 佐為 | 2009年12月18日 (金) 18時43分

佐為さま、ありがとうございます。
自民党が大敗した前後、全国的に民主党の首長が誕生したわけですが、誰一人として、公約を達成させた人はいないようですね。
名古屋市民も市民税が 10% OFF になっていませんし。
理想と現実とは違うのですね。

その点、小沢氏は「公約を破棄することが民意である」なんて言い出す始末。
素晴らしいではありませんか・・・( ゚д゚)

投稿: あらま | 2009年12月18日 (金) 18時54分

こんにちは。

こうなったら静岡空港を使っている航空会社は好きな時に撤退してもらいましょうよ。
そうすれば面倒くさい決め事はなくなるでしょうから。
・・・そうだsign02
茨城空港との定期便だけを飛ばせば日本中からの注目を浴びますよ。

投稿: まさたみ | 2009年12月19日 (土) 20時59分

まさたみ さま、ありがとうございます。
既に、中国や韓国の航空会社は、撤退や減便を表明、実行していますね。
茨城との定期便・・・。
いいアイデアですね。
互いに県庁を交換すれば、必ず通勤に使うでしょう。

投稿: あらま | 2009年12月19日 (土) 21時27分

JALは静岡空港からの全面撤退発表から一転、4月から自社運航に代えて、FDA便とのコードシェア運航による札幌・福岡線の運航継続を発表しました。もちろん実質的には全面撤退に他なりませんが、営業上は運航継続です。このコードシェアを「隠れ蓑」にして6月以降も搭乗率補償を求めています。「6月以降も運航を継続するから搭乗率補償は有効」と主張しています。もちろんJALの機体は静岡に来ません。FDAの機体を使って「見かけ」だけの運航継続です。これでも県は搭乗率補償に応じるのでしょうか?

投稿: | 2010年3月 8日 (月) 19時31分

ななしさま、情報をありがとうございます。
ところで、JALがそのような要求をしているという情報源を教えていただけませんか ?

投稿: あらま | 2010年3月 8日 (月) 22時06分

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