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神皇正統記

皇国史観の淵源

本日は、仕事納め。会社の大掃除でありました。パソコンの中の「メモ帳」の中のものも整理しておりましら、書きかけがありましたので、まとめてみたいと思います。【以下、本文】

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先の戦争が終わると、すぐ、その次の正月に、昭和天皇は‘人間宣言’をされました。昭和天皇にとって「天皇は神である」という皇国史観は迷惑だったようでした。

しかし、どの国にとっても、自国の淵源が神に通じているという思想は必要なもので、それが国民の支えになっていることは事実です。

神様に繋がる歴史のないアメリカでは、仕方がないので大統領の宣誓式には聖書に手を当てて間に合わせています。自国の古い歴史を捨てた中国では、頼るところは赤い手帳なんでしょうか。

ところで、その日本の皇国史観の淵源を辿っていくと、古学(国学)、水戸学を経て神皇正統記(じんのうしょうとうき)に突き当たります。

この神皇正統記は、南北朝が対立していた時代に、北畠親房という筑波の武将が戦闘の合間をみて著わしたもので、南朝が正統な皇統であることを記しています。

後日、神皇正統記は徳政とか大義名分を説明するものとして読まれ、水戸黄門である徳川光圀が『大日本史』を編纂するに当たり参考にした書籍です。大戦時には国粋主義者らが参考にしたとされますが、再び本格的に研究されはじめたのは近年のようです。

この研究成果を見ると、正統な皇統を明らかにする書というよりも、正統な皇統の理由を明らかにする書であると思います。

つまり、皇統が連綿と続いてきた理由とは、歴代天皇が徳政を実践してきたからということです。この天皇の精神を御広謨といいます。つまり、広く民を救うというものです。

それが曲解され、「八紘一宇」として利用され、大東和共栄圏の拡大へと繋がっていったわけです。イスラム世界では、「剣かコーランか」と言って布教を迫ったようですが、大日本帝国は「銃か皇国史観か」と言ってアジアを拡大したわけです。アメリカは「銃か民主主義か」と言って、いまなお世界を騒がせております。

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コメント

宮中出入りの神職も同意でしたが 最近の研究では 正統記の作者は親房の養子の伊勢神宮の荒木田国長と 皮肉にも維新で国長末に 北朝系久邇宮ゆかりが継ぐ 余談まで 仙

投稿: 仙 | 2008年10月 3日 (金) 22時53分

仙 さま、いらっしゃいませ。ご教授戴き、あつく御礼申し上げます。
そうしたいきさつがあったのですね。歴史は面白いですね。
また、いろいろと教えてください。

投稿: あらま | 2008年10月 3日 (金) 23時07分

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