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公家諸法度 ?

男系男子のウソ

小生のブログへの訪問者は少ないのですが、そのなかで、「皇室」カテゴリー、とくに皇位継承に関するページへの訪問者が多いようです。

本日は、その皇位継承についてのコメントを掲載します。

さて、先日、家内と静岡県護国神社に参拝した際、「女性天皇と女系天皇とのちがい」をアピールするポスターがありました。

皇室が、男系男子として万世一系につづいているということが、日本の国体の基盤になっていることを示したいのでしょう。

こういった信仰は、日本民族の間に根強くあります。これが「日本人の誇り」だという人が実に多いのですネ。

しかし、信仰と科学とは別次元であるようです。

小生は、何も他人の信仰を否定しません。今でも世界の中では「天動説」を信じているグループがあるそうです。その人たちを批判したり否定することは小生はしません。

しかし、自説に固執するのは交際の範囲を限定してしまうと思いますので、男系男子に固執する人は、一度、公家法度 をお読みになることを薦めたい。

これは、菊池俊助氏の『徳川禁令考』にあります。漢文ですから、少々読みづらい。

この『徳川禁令考』とは、徳川幕府遺蔵の書を中心に1894(明治27)年、当時の司法省が編纂した江戸幕府の法令集で、全102巻。そのなかには、武家諸法度(寛永令など)、寺院法度(諸宗諸本山法度)、禁中並公家諸法度(禁裏向法式十七条)などが収められています。つまり、徳川時代の「憲法」です。

この 公家法度 というのは、漢文で簡素に記されているので、解釈も多様であります。よって受験にはあまり出題されていない項目です。

特筆するのは、公家諸法度は、制定されて以来改定されていないというのが通説ですが、小生の調べでは、禁中並公家諸法度が発布されたその一ヵ月後、家康によって 公武法制応勅十八箇条 なるものが示されていました。これは、公武の憲法で、こちらのほうが実効的であったようです。 

それはさておき、公家法度の特徴として、

1、朝官任用法
2、守護職任用法(京都所司代など)
つまり、御内事に干渉している
さらに、御料を減じて皇室の権力を抑える一方、皇室の勢いを借りて徳川家の勢いを張ろうとしていた。(陽尊隠抑)

つまり、徳川幕府によって皇室は、長い間、京都に幽閉されていたということになります。

そこで、公家法度、第六条をみると、
「養子者連綿、但可被用同姓、女縁者家督相続、古今一切無之事」と、記されています。これは、御成敗式目の第23条と同じように(公家)の相続の規定と思われていますが、実は皇統譜記載の規定であるとみるのが妥当でありましょう。

つまり、何があったとしても、男系男子に書き換えよ・・・という指令であります。

それにしたがった国学者らによって、皇国史観の基礎が作り上げられていったのです。

天皇は、いつの時代でも、権力者の正当性に利用された存在であるようです。

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