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仕事は、「ニバン」でする。

小生の金科玉条

小生が小僧でこの世界に飛び込んで、三十余年が経ました。

その間には、幾度も技術改革があり、時代は大きく変わりましたが、基礎だけは変わっていないと思います。

小生は、鍛冶屋です。つまり、鉄を叩いたり、炙(あぶ)ったり、削ったりするのが仕事です。

そうして、機械を組み立てて、仕事をする機械を作り上げます。

ですから、俗に言う油の中で生活している「アブラムシ」です。

給料は、入職して五年目ごろから、ようやく人並みになりまして、結婚も出来ました。

しかし、言葉にはならないほどの長時間労働でした。

当時は、NC機といって、コンピューターで制御する機械が出てきたころでした。

当社も早速、ならい旋盤に代わって、NC旋盤を導入したのですが、使い方がわからないのですね。

通常の仕事が終わってから、徹夜でプログラムを組み、セットして、日中の作業に間に合わせるようにしておりました。

そんな無理が祟(たた)って、何回も倒れました。

しかし、技術の進歩はめざましく、新しい機械、新しい管理方式を導入しないと、仕事が来ません。

仕方なしに、無理を重ねておりました。

新しい体制に反発して辞めていくベテラン。

意欲のない新人。

結局、中国人などの外国人研修生を受け入れて、その場をしのぐわけです。

さすが、パクリの国、中国です。

仕事の技術をどんどん盗んで生きます。

小生も嬉しくなります。どんどん盗まれるように、わざと仕事を見せて、技術を覚えてもらいました。

ところが、そうして彼らも一人前になるころは、母国に帰ったり、どこかに消えてしまいます。そんな彼らに、小生は、自分の金科玉条を伝えます。

日本人の若者も、だいたい、2~3年で、文句ばかり言って辞めてしまいます。そんな彼らには、自分の金科玉条は伝えません。

小生は、国籍なんて関係なく、一生懸命の人間が好きなんです。

(非国民の小生を、どうかお許しください・・・)

そんなわけで、田舎の小さな町工場は、いつまでも小さいままです。

それでも、小生と同期の連中は、2~3人残っています。

その残った連中は、不器用なものばかりですので、他に移ることも考えなかったのでしょう。

しかし、その共通点は、先輩に可愛がってもらった人ばかりです。

昔の先輩なんて、本当に怖い存在でした。

そんなある日、現場でいちばん偉い工場長が、わたしの横に来て、こう耳打ちしました。

「仕事は、ニバンでする。」

この言葉を聴いて、同業者の方なら、ピン と来るでしょう。

刃物の形状、溶接から、段取りまで、仕事はニバンでするものですね。

この言葉は、経験を積むごとに、新鮮になります。

最近では、次の仕事の何がニバンなのか・・・。楽しみでもあり、苦痛でもあり・・・。

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