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憲法談義-4

宣戦布告とみなす

国連が、北朝鮮への制裁決議案を、異例の速さで全会一致で可決しました。

その制裁内容に、アメリカと中国とでは温度差が見受けられますね。

とりあえず、北朝鮮に対して‘臨検’が出来る内容ですが、中国は採択後もそれに対して懸念を示しています。

そこで、そうした状況を受けて日本では、臨検に対応するために、現行憲法のもと、法律の改正をしようとしています。

‘臨検’とは、日本の解釈として、それは武力行使として日本国憲法では禁じています。ですから、日本が直接北朝鮮の船に対して臨検ができないので、アメリカなどの臨検行為を後方支援できるような法律を作ろうとしているわけですね。

このように、あいかわらず日本政府は、現行憲法と現実とのジレンマに苦しんでいます。

そんななか、平和団体も活発に行動しているようです。

彼らの主張内容をおおまかにまとめると

① 日本本土に三発目の原爆が炸裂しないように、あくまでも外交手段で解決する。

② 北朝鮮の暴挙に対して、制裁措置もやむおえない。

と、しています。 つまり、政府の方針と一致しています。

しかし、基本的なところで違うのが、制裁措置に対する見解です。

平和団体にとって、北朝鮮に対する制裁措置は、あくまで北朝鮮に対する‘抗議’の表れだと思っているようです。

しかし、北朝鮮は、日本の制裁措置や、今回のこの国連の決議に従うことを宣戦布告とみなしてアメリカに対しても‘物理的’対抗措置をとると言っております。

つまり、日本側としては、北朝鮮は事実上の宣戦布告を日本にした として、警戒を強めなければならない事態なのです。

現行日本国憲法では、戦争を完全否定しているのですから、他国からの‘宣戦布告’にも全く対応していません。

僅かに、日米安保条約で、アメリカに守ってもらうという約束をとりつけている‘つもり’にすぎません。

これって、すごく危ない状況だとは思いませんか。

こうした日本のボケ状態を象徴的に表している著書のひとつが、昨日紹介した『憲法九条を世界遺産に』です。

この本は、お笑いのネタとしては面白いだけであって、現実的な問題として語り合っているものではないですね。 つまり、取るに足りないものです。

ただ、こんなことが日本人の中で話題となることに、問題があると思います。

それについて、わが師 佐為上人が、極めて具体的に指摘されています。

【以下、引用開始】 (引用については、佐為さまからお許しを得ています)

「テロに屈してもいいんじゃないか」(p120)

テロリストとは正規軍でないことであり、国際法に従わないであろうことは過去の事実から間違いない。おおっと、その存在自体が国際法違反のようである。
具体例をあげる。
北朝鮮の工作船は戦時でないにもかかわらず、日本に侵入し、民間人を誘拐したり殺したりしている。
911のテロリストは無防備な大勢のオフィスワーカーを殺した。
民族浄化のバルカン半島、宗教が異なる者を殺している中東・インドネシア、政府軍に通報するかもしれないからという理由で南米の共産ゲリラは無抵抗な村人を殺す。テロリストは護憲主義者ではない。アブナイ連中で怖いのだよ。
日本軍の真珠湾攻撃は宣戦布告なしであった。特攻隊は正当な攻撃方法ではなかったかもしれない。しかし非戦闘員を狙って殺したわけではない。無抵抗な者を予告なく、戦時国際法に反して殺したわけではない。それを忘れるな。
太田はテロリストというものを知らないのだろう。テロリストが皆殺しに来た時に、「テロに屈してもいいんじゃないか」と口にできると誓って欲しい。
勝てようと、勝てまいと、我々はテロと戦い、テロに屈してはならないのだ。

それからお二人にお聞きしたいことがある。
テロに屈したとき、テロリストは日本国憲法を継続することを認めるとお考えなのだろうか?
 

【引用終わり】

この佐為さまのコメントが、テロに対する常識でしょう。ところが、この『憲法第九条を世界遺産に』という本では、テロに対してさらにこう書かれています。

「テロの話でいえば、日本は原爆を落とされて戦争をやめました。あれこそテロだと思うんですよ。日本は一回テロに屈したからこそ平和になったのだろうと」 (同書 p 64)

ということは、日本は北朝鮮の核攻撃を受ければ、さらに平和になるとでもいう理屈なのでしょうか ? ?

このように、ひじょうに軽いノリで書かれている本に人気があるというのですから、驚くやら呆れるやら・・・。

さて、日本は、そのならずもの国家・北朝鮮に対して、制裁措置を強化したということは、北朝鮮が宣戦布告とみなすことをしてしまったのです。

つまり、日本は北朝鮮に対して「最後通牒」とも受け止められる決断をしたのですよ。

日本国民は、その事実をどのように把握しているのでしょうか ?

まさか日本国民は、大田 光 氏のような軽いノリで北朝鮮に対しての制裁措置に同意しているわけではないですよね ?

なーに、北朝鮮のいつもの恫喝に過ぎない・・・・なんて思っていませんか ?

【追加】

先ほど、NHKの番組で、麻生太郎外務大臣が出演しましたが、彼はしっかりした考えをお持ちであると感心しました。

外務大臣だから当然でしょうが、こんなときに担当大臣である彼が、放送局の番組に出演していてよいものかと、ある意味、違和感を持ちます。

逆に、安倍総理の補佐官らの「官邸」が実際に機能しているので、外務大臣としてゆったりと構えることが出来ているともみえます。

その、麻生外務大臣と、小池担当補佐官が、あさひTVの「サンデープロジェクト」に出演しました。あの田原氏が仕切っている番組ですね・・・

その田原式誘導尋問は、今回は期待するほどではなかったですね。

それよりも日本の核武装について語ることに、ステップ・アップしました。それについて中川自民党政調会長が田原尋問の餌食にあい、日本は臨検でなくても必要があれば北朝鮮の船の貨物検査をすると断言してしまいました。

そにしても、自民党以外は、危機意識が薄いですね。

明らかに、日本に「周辺事態」が発生しています。

それなのに、それを認めていない政党があるということは、まったくの論外ですね。

森本拓殖大教授が言うように、核を議論するのなら、最初から結果を語るのではなくて、抑止理論をきっちりして、その後に核保有を話し合う必要があると思います。

とにかく、金正日は「自暴自棄」状態です。そんな状態なのに、ゆっくりと話し合う余裕があるとは思えないのですが・・・。

とにかく、日本は、今まで躊躇してきた北朝鮮に対する経済制裁を発動しています。

これは、それに対する北朝鮮からの反応にも責任を負うということです

くれぐれも、北朝鮮が反撃してきたから、政府が悪いなんて言わないようにしましょう。

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コメント

あらま師匠、なにかもう買いかぶられたという感じで恐れ入ります。
ひとことだけ、
あらま様と私が日本人よ目を覚ませ、漫才師にだまされるなという叫びが少しでも効果があることを期待します。

投稿: 佐為 | 2006年10月15日 (日) 20時16分

佐為さま、コメントありがとうございます。
佐為さまには足元にも及びませんが、今後ともよろしくお願いします。

投稿: あらま | 2006年10月16日 (月) 07時50分

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