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「ガチャン」では遅い !

「警告」の意味

アラームの解除

小生の拙文を指導してくださる人の中に、WontBeLongさんという方がおられますが、その方のブログの記事に、関心を持ちました。

もしよろしければ、これをご覧の皆様にも、更にご教授願いたく、そのことに触れてみたいと思います。

最近話題になっている証券会社の事故についてです。ここで様々な問題が露呈されたと思います。

ひとつは、みずほ証券の担当者が、誤入力する際、そのアラームを解除して、強制的に誤入力を遂行してしまったこと。

もう一つは、東証のシステムが、誤った注文の訂正を受け付けなかったこと。

さらに、もう一つ付け加えるならば、明らかな誤操作によって得た利益を、担当大臣が不快感を示すまで、還元する動きがなかったこと。

以上が、問題点として挙げられると思いますが、ここでは、みずほの誤入力に限って考えて見ます。

みずほの担当者が、強制的に誤った入力ができたという背景には、日常的にアラームを解除して入力するという操作が行われていたということです。

これを、自動車のスピードの例で考えて見ます。

さて、自動車が速く走れるようになると、スピードの出しすぎが危ないということになりました。
そこで「制限速度」が設けられ、普通自動車の場合、ある高速道路では100㎞/hまでとなりました。
しかし、高性能な自動車は、そのぐらいのスピードはすぐ出てしまいます。
そこで、「スピードの出しすぎは危ない」という啓発運動を展開しましたが、守る人は少ないようでした。
そこで、100㎞/hを超えると警報が鳴るように定められました。
ところが、当時の高速道路では100㎞/h以下で走っている車なんてあまりありません。
「ピーピー」とうるさい警報音を、ダッシュボード下のヒューズを外すことで無能にすることができました。
なかには200㎞/hで走る車も出現しました。そこで、180㎞/h以上になると、燃料が止まり、それ以上スピードが出ないようにしました。
しかし、180kという設定を外したり変更することは、ある程度の知識があれば簡単にできました。
また、日本国中の道路が100㎞/h以上のスピードで走ることは、法的に規制されています。
ですから、日本で走る全ての車を、100㎞/h以上の速度が出ないようにしようと言う意見も、当然出ました。
ところが、自動車産業界やユーザーが猛反発。危険回避のためには、制限速度を超える性能を備えていても、やむを得ない、という理由でした。
そこで、技術的な制限ができないので、取締りを強化して、罰則も重くする方向へと進んだわけです。
悪名高いレーダーによる取り締まりも、こうして生まれたようです。
ドライバー、ひとりひとりが「きまり」を守れば、こんなことにならなかったのですが、法治国家としての社会規範を設けたわけですね。

いまでは、高速道路の事故は、スピードの超過よりも、過労による居眠り運転による事故が占めています。
もっとも最近では、取締りが強化され罰則が重くなったからという理由よりも、不景気なのに燃料が高騰しているので、経済運転しなければならないという切羽詰ったものがあります。

コンピューターシステムについては、その高度な発展の割には、使用者側の姿勢、あるいはシステムを構築する側の姿勢が確立していないように思います。
自動車のスピードのように、法的規制を設け、取締りを強化するというイタチごっこを選択するのか、或いは、使用者、利用者の意識を高め、自主規制を尊重するのか、かつての中国の「性善説」「性悪説」を思い起こします。

また最近では、モラルハザードなどといわれ、慣れに対する注意を喚起する動きもあるようです。

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コメント

プロフィールを拝見すると,人生では少し先輩でおられるようなので,「指導」なんて言われるととても恐縮してしまいます。

「アラーム」に関しては,難しい問題ですね。
自分のブログにも書きましたが,私は「アラーム」を発するものを使う立場でもあり作る立場でもあります。
使う立場のときは,アラームは「警告してくれるだけラッキー」くらいに思って,基本的には自分で注意するようにしますし,作る立場の場合には,できるだけ使う人が煩わしくなく,かつ,喚起すべき注意は確実に喚起できるように考えます。
基本は「性悪説」であるべきだと思いますが,行き過ぎると,アラームが安直に無視されることになります。
使う立場,作る立場,それぞれの人たちが,自分の責任を十分に自覚することで,トラブルが減少し,トラブル防止技術が適切に発展することを願いたいと思います。

ついでながら,さっき見つけたんですが,みずほ証券問題については,
http://slashdot.jp/articles/05/12/11/1448250.shtml
をパラパラと眺めると結構面白いのではと思います。

投稿: WontBeLong | 2005年12月18日 (日) 01時13分

WontBeLong さま、コメントありがとうございます。
ご紹介くださいましたHPを通覧させていただきました。
専門的なことは分かりませんが、結局は、WontBeLong さまがおっしゃるように、人の注意力、意識の高揚に委ねるしかないのでしょうか。
人類は科学の発達で、原子力で象徴されるような高エネルギーとか、コンピューターで象徴されるような電子頭脳を手に入れました。
しかし、それを使う人の心の問題は後手になっていると思います。
また、職業に貴賎なしとはいえ、影響力の大きい仕事に対しては、それなりの資格制度が必要だと思います。
今回の事故で、コンピューターのちょとした設定ミスが、大事故につながることが改めて鮮明になりました。
こうした「設定」という仕事に携わるひとたちが、自主的に問題提起し、改善しようとする動きを嬉しく思います。
と同時に、監督省庁(機関)も、きちんとチェックできなかったことを大いに反省していただきたいと思います。

投稿: masasan | 2005年12月18日 (日) 07時16分

>人の注意力、意識の高揚に委ねるしかないのでしょうか。

「しかない」と言ってしまうと,私のような技術系の人間としてはちょっと後ろ向き過ぎるので,「作る側」は,できるだけ確実にトラブルを防げるものを作るよう,努力を怠ってはいけないと思っています。
ただ,今回のような事件では,「使う側」に対して,「シロートじゃないんだから!」という気持ちを抱いてしまいます。

ついでながら,自動車の運転についても,あまりにも多くの一般の人が運転するので忘れられがちな気がするのですが,事故を起こすと「業務上過失」が問われる,つまりある意味で運転について「シロートではない」ことが前提となっていることをドライバーはもっと自覚しなければならないのではと,常日頃思っています。(こちらの私の記事もそのことと関連しています。)

投稿: WontBeLong | 2005年12月18日 (日) 22時19分

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