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投資と投機

「たてまえ」と「ホンネ」

巷では、買収、敵対的と、にぎやかです。そこで、かんたんに株式市場について、おさらいしてみます。

さて、「株式会社」。この考え方を日本に取り入れたのが渋沢栄一というひとです。個人ではできないことを、株券を買ってもらうということで、資金を集め、企業を作ってより大きな事業ができるようになりました。また併せて渋沢栄一は、銀行や手形という「考え方」も導入して「融資」とか「支払い」がしやすいような体系をつくりました。こうして日本経済は発展してきたということですね。

この考え方は、当時の「富国強兵」という方針に沿うもので、日本経済を育てて豊かにしようという大志がありました。とにかく沢山の資金を集めるために、株を公開してひろく募集したわけです。

ところが、公開すると他社株と比較するようになり、これが株価の変動につながっていくのですね。需要と供給の理論そのままに、株の価値は、上がったり下がったりします。つまり、投資した会社が業績を伸ばせば株価も上がる。期待に反して業績が下がれば株価も下がる。

また併せて、投機という考え方も輸入してしまっていた。安く買って高く売る。その差益で儲けようという考え方ですね。

そこで、株券の売買が本格的に始まるわけですね。いぇ、別に売買しなくてもいいのですね。その企業に投資したのですから。しかしこうして、公開募集した株券を買う動機が、「育てる」から「儲ける」ために、とすぐ変わってしまった。

また、目した会社が、はたして予想通りに業績が上がり株価が上がるか分からない。そうした「不透明な要素」が、ギャンブル性となり、各種チョンボが発生したのは自然な成り行きとでも言うのでしょうか。

とにかく情報がたくさんあったほうが有利ということもあって、その筋に近い人ほど有利でした。それでは不公平ということでさまざまな「規制」が張られるうになったわけです。

また、企業側としては、株券を所有している株主には、経営に対して発言権を与えるなど、さまざまな特典を与えて株を買ってもらうように苦心するわけです。

こうしたシステムを利用して、その企業の経営権を得ようとする目的で株券を買う人や法人も現れ、株を中心にした経済体系はいよいよ複雑になり拡大していったわけです。

こうして現在では、本来の「育てる」という「投資」の意義から外れた「投機」という認識で、株券を発行する側も、取り扱う側も、買う側も活動しているのが実態ですね。

ですから、せっかく力を合わせて作り育ててきた企業が、アッサリと買収されてしまうこともあるわけです。それではイケナイということで、本来の投資という意義に立ち返ろうという動きも出てきました。しかし、経済の法則が、損か得か、需要と供給という考えにとらわれてしまっているので、閉塞状態になってしまっているわけですね。

ましてや、環境問題が深刻になってきた今では、資本主義経済の限界説も出る始末です。将来を切り開くために、経済学者さんたちは「分析」にこだわらず、新しい経済原理の構築に努力するように期待しています。

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コメント

こんにちは 匠です。

masasanさんの懸念よくわかります。
しかし、昔の乗っ取り王“横井英樹”も米国のジャンクボンドの帝王“マイケル・ミルケン”も結局最後社会に受け入れられませんでした。

市場に神の見えざる手が働くと言ったのはケインズですが、市場で働かなかった神の手は、社会というもう一回り大きい世界で働くのではないでしょうか?

投稿: | 2005年10月27日 (木) 19時43分

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